吉居恭子の一般質問
問)吉居
生活保護申請者への対応についてお尋ねします。2年以上も続くコロナ禍により、失業や休業など急激に収入が減り、生活に困窮する人が増えていますが、生活保護の申請から給付を受けるまでの日数的なことと手続等について、簡潔に教えてください。
答)
生活保護の申請から給付までの日数や手続等についてのお尋ねにお答えいたします。生活保護の申請から決定までは、法律により、申請日から14日以内に要否を決定し通知することになっており、生活保護費の給付はその決定から速やかに行うこととしています。なお、調査に時間を要するなど特別な理由がある場合は、申請から決定までの期間を30日まで延ばすことができることとされています。その手続については、申請書等の提出後おおむね1週間以内に市の担当者が自宅を訪問し、生活実態などの調査を行います。預貯金の有無や扶養義務者などの調査を踏まえた上で、要否結果を通知することになります。
問)吉居
申請書提出から1週間以内に市の担当者が自宅を訪問とのことですが、長引くコロナ禍で職を失ったり、疾病で働けなくなったりした結果、職場の寮からの退去や、家賃滞納による借家からの退去、また、DV被害で家に帰れない、実家の家族とも同居できないなど、様々な理由で住居を失った方の相談を受けることがあります。住居を失った方への支援はどのようになっていますか。また、こうした方からの保護申請は年間何件ぐらいありますか。
答)
生活保護制度において、基本的に住民票の有無にかかわらず、生活の実態がどこにあるかによって、保護を実施する責任のある福祉事務所が決まります。ただ、住居を失った人の場合は生活の実態が不明となりますので、最初に相談を受けた福祉事務所が、保護の実施責任者、いわゆる担当となります。本市の場合、住居を失った人の保護申請の意思を確認した上で、まずは住まいの安定のため、県内7か所ある救護施設に入所していただき、生活基盤の立て直しを図るよう支援を行っております。なお、ここ3年間の件数は、令和元年度が5件、令和2年度が10件、令和3年度が8件になっております。
問)吉居
コロナ禍の2年で年間8ないし10人ほどの方が家を失って生活保護の申請に来られたというのは、本当に大変なことだと思います。さて、生活保護の申請に行くと、まず家族がある人には、一旦家族に連絡して援助を受けるようにとアドバイスを受けたという話をよく聞きますが、大抵は家族との連絡が途絶えていたり家族に頼れない状況なので、進展はないように感じます。そこで再度、なけなしの状態で改めて相談に来られることがあると思いますが、所持金が底をついている場合、交通費もない、泊まるところもないという場合には、どういう支援になりますか。
答)
相談を受けたケースワーカーは、相談者から所持金がないとの申出を踏まえ、申請の意思を確認した上で、市の社会福祉協議会が実施している、つなぎ資金の貸付けを案内しているところです。このつなぎ資金を、最初の保護費の支給までの当面の生活費に充てていただくように助言しているところでございます。
問)吉居
保護が決定し、保護費が振り込まれるまでには最短で2週間、その間の生活費は、社会福祉協議会でのつなぎ資金を案内されるとのことですが、実際は翌日の貸付けです。つまり、運悪く金曜日に申し込むと、実際にお金を受け取れるのは3日後の月曜日ということになります。世界各国に比べて、日本の生活保護の捕捉率が20%程度と低いのは、生活保護に対するスティグマによるものと言われ、生活できない現実と羞恥心との葛藤の中で、生活保護申請の窓口に来られる方が多いと言われています。そうした相談者の話をじっくり聞けるような体制を取っていただき、最初の相談のときに家族の状況などを把握して、まだ少しでもお金があるうちに、個々の実情に合った早めの対応をしていただくことが大切と考えます。保護が決定すると、ケースワーカーや就労支援担当者により就労までの支援も行っておられると聞きますが、生活を立て直し安定するまでの支援はどうなっていますか。
答)
就労支援については、本市の就労支援相談員による相談を踏まえ、相談者の能力や資格等を十分に考慮しながら、求人先の紹介、面接の訓練、履歴書の書き方などの支援を行い、就労意欲の向上に努めております。また、ハローワークが行う生活保護受給者等就労自立促進事業の周知を図るとともに、ハローワークへの支援要請を行うなど、関係機関と連携した取組を行っているところでございます。
問)吉居
就労支援は、御本人のためにも大切なものと思います。しかし、アルバイトや就職が決まっても、給料が出るのは早くても1か月後です。申請が受理されて、給付を受けられている場合はいいのですが、実は若い女性の例で、アルバイトや就職が決まったときに、生活保護申請を取り下げるなど現実的でない選択をされた方がおられ、その後、再度生活保護を受けるようにお勧めしましたが、もう行きたくないということで、本当に困った状態になられた方がおられました。アルバイトや就職が決まったということで、生活保護申請を取り下げるなどの現実的でない選択をされないよう、しっかりした生活設計となるアドバイスをしてください。