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議会レポート

子どもや高齢者が安心して暮らせる春日市に

2022年3月議会

2022年3月議会での反対討論

吉居恭子の反対討論

「春日市令和4年度一般会計予算について」反対討論

本市の令和4年度予算の総額は、対前年度比3.2%増の355億1,013万7,000円で、歳入のうち市税は、コロナ禍にもかかわらず、対前年度比7.3%増の134億5,780万5,000円となっています。

また、歳出における義務的経費の内訳で、人件費は1,752万8,000円の増で、43億9,533万7,000円となっていますが、多くの公共事業に指定管理者制度や業務委託などを取り入れ、人件費を含む管理運営全体を物件費としてまとめて計上されているため、市政運営上の実質的な稼働人数と人件費は分かりません。

扶助費については、10年連続で増加、歳出予算の3割を超える割合ですが、コロナ禍でIT産業など一部の大企業が内部留保を短期間で2倍にも増やしているのに対し、高齢化が進む上に、非正規労働者の割合の増加や消費税増税、物価の上昇などにより実質所得が減少し、ぎりぎりの家計運営を余儀なくされている一般国民を顧みない国の福祉予算に対し、市民を守る立場である本市の予算としては当然の増加であり、まだまだ不足している状況と言えます。

スポーツセンターアリーナの観覧席階段の手すり設置、医療的ケア児の保育園受入れ体制の整備、就労準備支援事業など、これまでなかった視点での画期的な予算、また、考え抜かれた教育予算など、評価できる点は多くあるのはもちろんです。しかし、3年にも及ぶコロナ禍にあって、公務員や安定した正規労働者、資産家など、収入がコロナの影響を直接受けない世帯以外では、年間の税金の滞納件数が増加し、差押えが1,000件に及ぶなど、なかなか表には出ませんが、個人事業主や非正規労働者世帯など、収入の激減で厳しい生活状況にあります。

シングルマザーの方がコンビニのWi-Fiを利用して、職場との連絡をしているのを御存じでしょうか。こうした状況を見ると、度重なる学校休校で給食を受けられない児童生徒、不安な中で出産した母親たち、ひとり親で何とか踏ん張っている世帯などへの食料支援や手当など、思いやりが感じられる市独自の支援策が求められます。西スポーツ・レクリエーション広場整備費に1億7,512万円を使う余裕があるのであれば、そうした子どもたちの将来や母親たち、コロナで仕事をなくし疲弊した市民への市独自の予算も組むべきではないでしょうか。

また、市長の今回の施政方針の最後にある基本目標5、持続可能で市民から信頼される行政運営とは裏腹に、物件として計上してある公共施設の指定管理者の収支計画予算が不透明であることには承服できません。情報公開資料によると、市に提出してある収支計画書の中の人件費や事業費の詳細は、市によって黒塗りされ、市民には公表しないままに、ふれあい文化センター、スポーツセンター、放課後児童クラブ、児童センター、市民図書館だけでも合わせて8億円を超す予算が、人件費、管理費、事業費、事務費、その他という四ないし五つの大枠だけしか市民に公開しないまま事業者に渡されることになります。庁内の事業における経常経費の縮減への不断の努力及び優先順位の最適化、ビルド・アンド・スクラップを念頭に置いた堅実な考え方は、業者に渡すお金に関しては及んでいないようです。

実費であるはずの子どもたちのおやつ代や保険料でさえも令和2年度の決算と同じく、計画でも収支が不明であるということを申し添えておきます。

昨年の私の一般質問への回答にあったように、行政と指定管理者は信頼関係で結ばれているとのことですが、それでは、春日市の主人公である市民と行政との信頼関係はどうなのでしょうか。

以上、市民に説明のできる、市民のためのよりよい予算編成とは言い難いことを理由に、令和4年度予算への反対討論とします。

「春日市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定について」反対討論

本議案は、国民健康保険の保険料を増額するものです。国民健康保険料は、他の医療保険、社会保険料に比べて高い状況にあり、法律で労働を禁じられている子どもに対する税金、均等割があるなど、大きな問題を抱えています。そうした意味で、令和4年より未就学児に係る被保険者均等割額が半額になったことは一歩前進というところですが、まだまだです。

今回の改正は、所得割率では、医療給付費分と後期高齢者支援金分、介護納付金分を合わせて、11.7%から11.67%へ、平等割分は3万4,000円から3万3,926円へと微減ですが、均等割額が1人当たり4万9,000円から5万2,544円と増額されたので、実質の税額は増税、1人当たりの納付金は、対前年度比で104%、4,977円の引上げとなります。減らし続けた国庫支出金を元の割合に戻すことを求めるとともに、コロナ禍で疲弊した市民生活を守る立場から、一般会計からの法定外繰入れ等を行うことで国民健康保険料全体の引下げを行うべきと考えます。

「令和4年度春日市国民健康保険事業特別会計予算について」反対討論

本議案は、本定例会における第7号議案の「春日市国民健康保険税条例の一部改正」、つまり、本市の国民健康保険税の増税が反映された予算であるため賛成できません。

「令和4年度春日市後期高齢者医療事業特別会計予算について」反対討論

福岡県の令和2年と3年の後期高齢者医療の保険料は、制度発足直後と比べて約1万円も高い8万2,509円となっています。当初から指摘された、上がり続ける保険料という問題が現実のものとなり、高齢で収入が増えることのない被保険者の保険料がこんなに上がるのかと不安の声も上がっています。今回、所得割率は100分の10.77から100分の10.54へと引き下げられるものの、均等割額については、5万5,687円から5万6,435円へと増額、賦課限度額についても、64万円から66万円へと引き上げられます。

国や県は、後期高齢者人口の自然増にもかかわらず、交付金を十分に増額せず、保険料の上昇抑制は、広域連合の独自の努力のみに任せてきました。

また、昨年5月、受診抑制による医療給付費削減を見込んで、自民、公明、維新の会などにより、医療制度改定一括法が強行採決され、本年10月から後期高齢者医療の窓口負担が1割から2割へと2倍化されようとしています。対象は、単身で年収200万円以上、どちらも75歳以上の夫婦で、年収320万円以上とされています。これでは、有病率が高く、けがのリスクもある75歳以上の人が経済的理由で受診を控えれば、病状悪化に直結します。

以上、これら2点が反映された本議案に反対をいたします。

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