ホーム議会レポート一般質問「安心安全な生活環境の整備について(アスベスト対策)」一部省略

議会レポート

子どもや高齢者が安心して暮らせる春日市に

2021年12月議会

一般質問「安心安全な生活環境の整備について(アスベスト対策)」一部省略

問)吉居

アスベストは髪の毛の5,000分の1と非常に細い繊維状の鉱物で、熱や摩擦に強いことから、多くの建築材料として使われてきました。目に見えない細さのアスベストをほんの少量でも体内に取り込む、つまり暴露すると、中皮腫や肺がんなどを発症することがあります。その発症は20年後、30年後に出ることもあり、アスベストを取り扱った労働者のうち毎年1,000名以上が中皮腫で命を奪われています。このようにアスベストは、「キラーダスト」や「静かな時限爆弾」とも言われる極めて強力な発がん物質ですが、国が全面禁止をしたのは平成18年で、実に40年にわたって大量に製造、使用され続けてきたものです。アスベストは、一般家屋でもお風呂の断熱材や家電品などで使用されたほか、含有建材として今も身の回りに大量に残されています。そうした建築物の解体が2020年から2040年にピークを迎えることもあり、まさにアスベスト被害防止は国民的課題となっています。法整備も進められています。本年3月改定の春日市第3次環境基本計画の中では、アスベストには触れてありませんが、このアスベストについて市はどのように認識しているのかお尋ねします。

答)市長

石綿、いわゆるアスベストは、耐火、耐熱、防音等の性能に優れた天然の鉱物繊維であり、安価で加工しやすいことから建築材料に使用されてきました。しかし、本人が気づかないうちに少量でもアスベストを吸い込んでしまった場合には、肺がんや中皮腫などの健康被害を引き起こすことが明らかになったため、現在、日本では製造、使用などが禁止されています。また、今後、建築物などの解体等の工事が年々増加していく見込みであることから、規制の対象を全てのアスベスト含有建材に拡大し、事前調査結果を都道府県等へ報告することなど、アスベスト飛散防止対策の一層の強化を図るため、大気汚染防止法の一部が改正され、令和2年6月5日に公布されました。本市では、大気汚染防止法等の規制に従い、公共施設の解体等の工事を実施しており、法改正に対応したアスベスト飛散防止のための適切な措置を講じているところです。本市としましてはアスベストについて、その飛散防止対策を講じ、健康被害を防ぐことは重要なことだと認識しております。

問)吉居

春日市においても、アスベスト飛散防止対策について重要度を認識し、大気汚染法の規制に従い、公共施設の解体工事における飛散防止対策を講じておられるとの事、まずは安心しました。

 本年9月27日、大阪府堺市は、市内小学校4校で、破損した体育館の天井裏から吹きつけアスベストが見つかったと発表しました。それらを分析機関が採取して調べると、吹きつけ材からアスベストの一つ、クリソタイル(白石綿)を検出、含有率は3.4ないし4.3%で、危険性の高いアスベストの見落としで児童らが日常的に暴露していた可能性が指摘されました。春日市内の小中学校や公民館などでも大規模改修工事が進められています。子どもたちや周辺住民、建設従事者の命に関わる問題です。本市の令和2年3月策定の公共施設等マネジメント計画によると、平成17年以降に建設された施設は112施設中12施設で、平成17年以降、大規模改修が行われた19施設を加えても31施設、つまり市内公共施設の3分の2以上が調査をした上で、何らかの対処が必要な状況と考えられます。特に公共施設は、耐火対策が必要条件としてあるので、アスベスト使用禁止になるまではよく使われていたと聞きます。市内小中学校を含む公共施設のアスベスト使用の実態把握がなされているのか、また、アスベストを含む施設の大規模改修や解体に際しての事前調査、工事中の児童生徒や教職員、近隣住民への安全対策は十分に行われているのか、お尋ねします。

答)経営企画部長

市立小中学校を含む公共施設のアスベスト使用の実態把握がなされているのか、また、アスベストを含む施設の大規模改修や解体に際しての事前調査、利用者や近隣住民への安全対策は十分に行われているのかとのお尋ねにお答えします。アスベスト使用の実態把握に関しましては、平成17年度と平成20年度に小中学校を含む公共施設の吹きつけアスベスト使用の有無について調査し、吹きつけアスベストが発見された施設につきましては、既に除去処理が完了しています。また、公共施設の改修工事や解体工事に際しては、国が定めた解体・改修等における除去マニュアルに沿って、適切に処理を行っております。このマニュアルは、大気汚染防止法などの関連法令に基づく、建築物の解体等における飛散防止対策として定められたもので、事前調査から調査結果の報告、実際の除去作業での安全対策や事後処理まで、工事におけるアスベスト対策が細かに示されています。

問)吉居

安全衛生法により、重量比0.1%を超すアスベスト含有建材の製造・使用等が禁止となった平成18年9月1日の前日までに建築確認がなされた戸建て住宅、木造建築物など、公共建築物を除く全ての建築物、つまりアスベスト含有建材が使用された可能性のある民間建造物は、国土交通省の推計によると約2,800万棟に及ぶとされています。このうち、昭和31年から平成元年までに施工された建築物で、床面積がおおむね1,000平米以上のもの約27万棟については、国土交通省による民間建築物アスベスト使用実態調査を通じて、当該使用実態の把握が進められている一方、1,000平米未満の建築物の数は膨大となることもあって把握されておらず、その的確かつ効率的な把握方法が課題となっています。このため、国土交通省は調査マニュアルを作成し、地方公共団体に対して、アスベスト含有建材が使用された可能性のある民間建築物について、調査を実施する際の参考として示しています。この調査マニュアルでは、調査の実施等に当たり、建築時期や建築物の用途により優先順位をつけて計画的に調査を進めること、把握した情報をアスベスト台帳として整備し、データベース化して管理していくことなどを示しています。アスベスト台帳を整備することで、平時における大気汚染防止法等に基づく、届出漏れの把握や、解体等工事現場への指導、災害時におけるアスベストの飛散と暴露のおそれがある建築物の早期特定や情報提供などもできます。国交省では、データベース化を対象とした助成制度、社会資本整備総合交付金、防災安全交付金を設けています。

アスベスト台帳を整備している自治体はまだまだ少ないですが、春日市にはそうしたアスベスト台帳の整備に取りかかっておられますか。または、これから整備する計画はありますか。次に、この問題は、労働関係では厚生労働省、建築関係では国土交通省、そして環境省と3省にわたって法整備があり、それぞれ取り組まれています。大きく取り組むべき内容が日々変化、進歩している状況で、関係部署の職員の研修が求められると考えますが、いかがですか。また昨今、春日市内の各所で古い建築物を解体除去し、新しい建築物が次々と建っています。その工事を見ていると、防じんマスクや近隣への注意事項の説明などもなされていないのが現状です。アスベスト被害に遭わないために、市民に対する正しい知識の周知など広報をしてい頂きたいのですがいかがでしょうか。

答)都市整備部長

アスベスト台帳は、昭和31年から平成元年に施工された建築物のうち、延べ床面積1,000平方メートル以上のものについては、平成17年度に福岡県が民間建築物アスベスト使用実態調査を行い、台帳を整備済みです。また、不特定多数の方が利用する建築物で、延べ床面積が300平方メートル以上1,000平方メートル未満のものについては、平成29年からフォローアップ調査、補足調査を福岡県が行っていることから、市として独自に台帳を整備する計画はございません。

答)地域生活部長

職員の研修につきましては、アスベストに係る業務の主体である県の説明会等が開催された際には、関係部署において、それぞれ業務の必要性に応じてこれまでも参加しているところであり、今後も積極的に参加してまいります。次に、アスベスト被害に遭わないために、市民に対する正しい知識の周知など広報をしていただきたいがいかがかとのお尋ねにお答えをいたします。アスベスト対策につきましては、環境分野、労働、建設の分野に関連しており、市民がそれぞれの分野におけるアスベストについての問合せができるように、現在、業務取扱窓口である県のアスベストに関する相談窓口を市ウェブサイトで紹介をしております。今後も国・県の動向を見ながら、また、県からの新たな周知依頼を受けた等の状況によって、適宜市民への広報等に取り組んでまいります。

問)吉居

平成28年4月の熊本地震では、建物の被害は熊本ほか6県で、住宅の全壊、半壊、一部損壊、その他公共の建物等を合わせると、総計20万6,000棟に上りました。迅速な復旧工事が、行政、民間、ボランティアなど全力で取り組まれましたが、やってはならないとされるアスベストを含む瓦礫の粉砕、現地住民やボランティアを含む作業者の防じんマスク着用の不徹底などの事例が多発したそうです。国・県の動向を見ることは当然ですが、本市における災害時など緊急時にも対応できるような体制を取っておくことが大事で、特にアスベストについて知識のないというか、アスベストについて日常的に考えていない市民の命と健康を守るために、県からの周知依頼等を待つことなく、研修を終えた職員を中心に、アスベストについて知っておくべき正しい情報を市民に周知することは重要であるということを、重ねて申し上げたいと思います。


一般質問・生理の貧困等への対策について

問)吉居

生理の貧困とは何か。それはまず、経済的な理由などで必要な生理用品を十分に入手できないことと言われています。国際NGOのプラン・インターナショナルでは、2017年にイギリスで初めて「Period Poverty」(生理の貧困)の調査を実施、この調査で回答者の10%が「生理用品を買えなかったことがある」と答えています。その後、アメリカの調査でも、入手できない人たちが一定数いることが認識され、欧米を中心に問題意識が高まっていきました。

ここに来て生理の貧困が日本でも顕在化してきたのは、コロナ禍が長引き、経済的に困窮する女性が増えているという背景があります。イギリスの前述の団体が2020年に実施した、新型コロナウイルスが女性に与えた影響に関する調査では、3割が「生理用品の購入が難しい」と回答。日本では、2021年版男女共同参画白書によると、2020年4月の就業者数が、その前月と比べ男性は39万人減少、女性は70万人減少と、女性の失業者が特に多く、シングルマザーの完全失業率も増加。コロナ禍で女性の貧困問題が深刻化した結果であることがうかがえます。

そうした中で日本でも、地方公共団体の学校や公共施設などで、生理用品の無償提供が始まっています。同白書によると、本年5月19日時点の調査で、検討中を含み255団体だったのが、7月20日には581団体に倍増しています。調達元としては、防災備蓄品、予備費の活用を含む予算措置、企業や住民からの寄附の順になっています。各都道府県の実施割合では、広島県が断トツで県内79%の自治体で取り組まれており、次が東京都の76%。東北、九州は低く、福岡県内の自治体は残念ながら26%です。しかし、確実に学校のトイレへの配備は全国に広がりつつあり、東京都は9月から全ての都立学校の女子トイレに生理用品を配置し、全国では、生理用品を軽減税率の対象にすることを求める署名運動なども行われています。

「生理の貧困」という言葉の中には、経済的な理由ばかりではなく、生理について語りたくない、恥ずかしいという意識、日本は海外と比べて生理に対する不浄感、タブー意識が強いなど、生理に対する理解の貧困も含まれます。日本で初めての紙ナプキン販売も、欧米より40年も遅い1961年です。今年、アメリカのプランの調査では、27か国を対象に生理についてオープンに話せるかを聞いたところ、日本は27か国中25位、G7諸国では最低でした。今もタブー意識が根強く、父子家庭などでは生理用品の購入を口に出せない現状もあるといいます。

一方で、栄養状態の改善などにより、小学5年生までに既に30%の女子が初潮を迎え、さらに出産回数や授乳期間の減少で、女性が生涯経験する生理の回数は大幅に増加し、そのケアの重要度も増しています。男女にかかわらず、毎月定期的にある生理は、女性にとって当たり前の大事な日常で、不浄なものではないという意識を持つことが大切だと考えます。

生理用品はナプキンを使用、生理期間が5日間で、1ないし3日目に鎮痛剤を使用すると仮定した場合、生理に係る費用は1日当たり約100円から140円、1か月当たり約500円から1,200円で、生涯にかかる費用は約40万円と言われています。このほかに、生理用のショーツ、肌がかぶれやすい人は高価なナプキン、腹痛がつらいときは温めるカイロと、購入するものは様々で、この費用が上記の金額に加わります。社会の進展に伴う生活様式の変化などで、女性の生理はより困難なものになり、個人差もありますが寝込むほどの痛みや倦怠感で、学校や仕事を休まざるを得ないこともあります。生理痛によりアルバイトなど仕事を休むと収入減にもつながります。経済産業省が2019年3月に発表した調査では、月経、生理の随伴症状、腹痛、腰痛、眠気、いらいら、便秘などによる1年間の労働損失、欠勤、労働量や質の低下という労働損失ですね、それは4,911億円にも及ぶということが分かっています。内閣府男女共同参画局でも、地域女性活躍推進交付金を拡充し、女性や女の子たちに寄り添った相談支援の一環として、生理用品の提供を行うことも可能にしています。

ここまで生理の貧困に対する大まかな現状をお話しいたしましたが、まず、本市小中学校や公共施設等における生理用品の配備状況についてお尋ねします。

  1. 小中学校の保健室、トイレなどにナプキンが常備されているのでしょうか。
  2. 市内公共施設への配備はどうなっていますか。
  3. 災害備蓄品の中に、生理用品はどれくらい準備されているのでしょうか。また、備蓄品の更新はどのような頻度でどのように行われているのか、お尋ねします。

答)市長 

まず、市内公共施設への配備の状況についてのお尋ねにお答えいたします。

本年度、コロナ禍における女性の生活支援事業の一つとして、市社会福祉協議会を通じて、災害備蓄品を活用した生理用品の無償提供を行いましたが、現在、市内公共施設への生理用品の配備はしておりません。次に、災害備蓄品の中における生理用品の準備状況及び更新の頻度についてのお尋ねにお答えいたします。広域避難所である総合スポーツセンターに受入れを想定している避難人数886人に対する3日分の避難物資を備蓄しています。そのうち生理用品については、避難人数の約6%が必要であることを想定し、970個を備蓄しています。また、この生理用品はおおむね5年に1回更新していく予定です。

答)教育長

全ての小中学校において、保健室に生理用品を配備しているところです。主な目的は、急に生理が始まった児童生徒への対応、あるいは用意するのを忘れて登校した児童生徒への対応です。

問)吉居

小中学校では、生理が急に始まった児童生徒のために保健室に配備をしているとのことですが、トイレで気がついて、それから保健室まで行くのは大変です。特に小学校高学年の教室は2階、3階で、1階の保健室までもらいに行くというのは、まだ経験が浅く、慣れていない子どもにとって大変困難な仕事だと考えます。また、保健室でもらうのは、「私は今生理中です」と言っているのと同じで、大人の女性でさえ生理用品の購入時に、女性のレジだったらほっとする人もいるぐらいですから、特に思春期の女子には恥ずかしく、さらに毎回、毎日もらいに行けば、「買うお金がないのか」とか「準備していないのか」など思われるのが嫌で、人によっては躊躇するのではないでしょうか。そうした苦労も、生理に対するマイナスイメージを助長しているように感じます。そこで、本市の小中学校のトイレにも生理用品を常備していただきたいのですが、いかがでしょうか。 

また、家庭で、経済的な理由や父子家庭やネグレクト、考え方の違いなどにより準備をしてもらえない児童生徒のために、保健室の教諭等に相談に乗ってもらえる体制も取っていただきたいと思います。

次に、市内の公共施設への配備はないということですが、現在、寄附などを利用し、一部の公民館では置いてあるようです。決まり事ではなく、女性同士お互いさまという助け合いの機運が高まっているのだと思います。全国自治体では、コロナ禍による困窮で生理の貧困問題がクローズアップされたこともあり、災害時のため備蓄しているナプキンを無料配付する自治体が増えています。

ナプキンのメーカー各社によると、生理用ナプキンの使用推奨期限は未開封で3年程度となっています。主要メーカーであるA社は、「ほこり、湿気、直射日光などを避けて保管すれば、製造から少なくとも3年間は品質を保つように設計されている。3年を過ぎても直ちに使用できなくなるわけではないが、変色や下着に固定する粘着テープの性能低下が考えられ、期限内でも保管状態が悪いと品質低下のおそれがある」としています。また、10年間品質保証し、長期保存が可能になった災害備蓄用品の新定番のナプキンもあるということで、コンパクト設計で大量備蓄に最適なツータイプの安価なシリーズを発売としていますが、10パック430枚で3万3,000円、1枚当たり76円と割高です。長期保存でなくてもよいので、より安価な普及品を個数を増やして3年で交換することで、各学校等の配備に回していくこともできるのではないでしょうか。

答)教育部長

生理用品を市内小中学校のトイレに常備することで、児童生徒は学校で困ることはなくなると思います。しかし、児童生徒はこれから数十年間、生理と向き合って生活してまいります。一日の大半を過ごす学校において、自分で用意せずとも困ることのない環境がつくられますと、自分で用意する習慣が身につきにくくなります。生理用品は、どんなときも、どんな場所でも、必ず無償で提供されるものではありません。自分で用意する習慣が身についていないと、これからの社会生活において困る場面に必ず出くわすと思います。だからこそ教育の場である学校において、自分で用意することを伝えていく必要があると考えております。例えば、バッグに予備として一つ入れておくことや、修学旅行の際に念のため一つ持ってきておくことを伝えている学校もございます。したがいまして、本市においては引き続きトイレではなく保健室に配備する必要があると考えております。   

次に、父子家庭やネグレクト、考え方の違いなどにより生理用品を準備してもらえない児童生徒のために、保健室の教諭等が相談に乗る体制を取ってはどうかとのお尋ねにお答えいたします。

 市内小中学校では、従前から引き続き、児童生徒が生理用品を保健室に取りに来たときの会話や取りに来る頻度などを踏まえ、養護教諭などが適宜、相談等の対応に当たっております。

答)健康推進部長

災害備蓄品の生理用品の更新を3年にしてはどうかとのお尋ねにお答えいたします。生理用品については、議員御案内のとおり、メーカーによる使用推奨期限はありますが、総合スポーツセンターの備蓄倉庫は直射日光が当たらず、24時間換気をする等、適切に保管できる環境となっており、生理用品をはじめ、災害備蓄品の性能低下を防ぐことができるものと考えております。実際に今年度、災害備蓄品を活用した生理用品の無償提供を行った際に状態を確認したところ、5年を経過しておりましたが、性能の低下は見られておりませんでした。今後も、実際の保管状況やメーカーによる使用推奨期限を踏まえ、学校等への配付等の活用方法について検討してまいります。

問)吉居

学校のトイレへの配備は考えていないとのことですね。残念ですが、そうであれば、現在、学校現場で行われている身体の性差についての教育、科学的な根拠のある生命誕生の仕組み、さらにはLGBTQに対する理解など、発達段階に合わせた、性に対する肯定的で正しく適切な教育をより強化していただきたいと思います。生理になっても躊躇することなく、保健室にもらいに行ける環境をつくっていただくことで、落ち着いて学習できないなど不利益を被る女子がいないようにしてください。また、父子家庭など、身近に相談する女性がいない中で育つ児童生徒には、女子の先輩として、養護教諭や女性教師などが御自分の経験談などを話すなど、女子に寄り添った対応を強化していただきたいと思います。また、生理用品の入手に困っている生徒の対応を福祉につないでいるともお聞きしていますが、近い将来、諸外国や全国の先進地域と同じように理解が進んで、学校のトイレに常備するのが当たり前の社会になるよう、発信を続けたいと思います。

次に、健康推進部の御回答をありがとうございました。災害備蓄品の効率的な運用をしていただけるそうで、ありがたいです。ついでに申し上げますが、災害時に生理用品をもらう相手が女性であると受け取りやすいことや、家庭生活で培った女性の視点を防災や避難所運営に生かすことを考えると、災害対策の分野にも、今以上に多くの女性職員を起用されることが望ましいと考えます。

女の子は誰に言われなくても、生理中であることを不必要に人に知らせません。さきに申し上げたタブーと感じることとは別に、それが極めてプライベートなことを知っているからです。私自身も、一般質問で取り上げるとは考えてもいませんでした。しかし、これまでタブーとして問題にもされなかった情報が様々発信され、全国で、また全世界で、生理の貧困について真剣に語られ、取り組まれているのを知り、今、本当に困ってつらい思いをしている思春期の内気な少女一人笑顔にできなくて、何が政治なのかという思いで質問するに至りました。

さて、東京の新宿高校は、都立学校250校での9月からの生理用品の配付開始に先立ち、先行して配置を始めた7校のうちの1校です。同校でも以前は、生理用品が必要になった生徒は保健室に行き、必要な旨伝えて受け取るスタイルで、実際に生徒が使った生理用品は年間で10枚ほどでした。しかし、5月に女子トイレでの配付を始めてから、半年間で800枚が使われたそうです。

Y校長、男性ですがY校長は、「必要なときに自由に取りに来れる体制にして、利用が大幅に増えた。生徒の中でも、あのトイレに行けば生理用品があるということで徐々に定着した。貧困による利用なのか、便利だから使ってくれているのか調査したわけではないが、少なからずそういうニーズはあったのだと感じた」と話しています。「生理用品は必需品だからこそ、全てのトイレに当たり前に置かれているトイレットペーパーと同様、自然に配置しました」とおっしゃっています。

皆さん御存じのように、女性の生理、月経というものは、生命を宿す準備として、子宮の内膜が剝がれることを繰り返すという自然現象で、人類が命をつなぐ上でとても大切で必要不可欠なことです。ナプキンをトイレ各所に常備し、清潔を保つことで不妊症の一因を防ぐという意味では、少子化対策でもあるわけです。もちろんジェンダー平等、人権の問題でもあります。さらに子育て支援にも与し、自尊感情や自己肯定感を育み、命の大切さ、他者への思いやりや人権意識を身につけるなど、教育上必要な取組でもあります。女性に生まれたというだけで、幼い頃から自己責任とされる向きもあることを公に支援してもらうことで、社会とのつながりを知る機会にもなります。

市長さんはじめ、お一人として、女性の生理なくして誕生し、今を生きておられる方はないのです。1度の一般質問では言い尽くせませんが、最後に、公共施設への配備の検討を始めていただけないかお尋ねをして、私の一般質問を終わります。

答)市民部長

公共施設に生理用品を配備する検討を始めてはどうかとのお尋ねにお答えいたします。公共施設への生理用品の配備につきましては、他団体の状況なども見ながら、その必要性も併せて今後研究してまいります。

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