吉居恭子の一般質問
吉居 恭子
1番、日本共産党、吉居恭子です。
私は通告に従い、子どもたちが安全に、安心して過ごせる春日市の学童保育の運営について、時間制で質問を行います。
まず、新指定管理者による放課後児童クラブ運営の2か月余りの検証について質問します。
御存じのとおり、春日市の放課後児童クラブ、学童保育は、市民運動によって生まれ、保護者や支援員をはじめ、多くの市民によって引き継がれ、昨年度までNPO法人子ども未来ネットワーク春日により運営されてきました。しかし昨年の公募で、人材確保に優れているということを一番の理由に、令和2年度からの指定管理者の候補者に株式会社テノ.サポートが選ばれました。春日市放課後児童クラブ設置条例によると、「市長は、児童に対する適切な保育等を行えるという基準に照らし、児童クラブの管理を最も適切に行うことができると認められる者を指定管理者の候補者に選定し、議会の議決を経て、指定管理者に指定する」とあります。候補者の決定には議会でも時間と労力をかけ、様々な議論を行い、市の指定管理者選考委員が厳正なる審査で選ばれた候補者を、議会として承認、決定したことを最初に申し上げます。
しかしながら蓋を開けてみると、4月1日、新1年生が初めてクラブに入る大事な日であり、新指定管理者に替わった初日、朝8時に開所ができないクラブ、支援員が一人で二つのクラブを開所する小学校など、早くも問題が生じました。なお、8時に開所できなかったクラブは、保護者の機転で学校に連絡、教職員の協力で体育館に保護、保育をしていただき、幸い、児童の安全という点では事なきを得たことを御報告します。新型コロナウイルス感染症対策による学校休校や非常事態宣言下の運営となり、安全面についてはさらに厳しく、支援員、補助員の皆さんには御苦労されたことと、心より感謝申し上げます。
ただ、初日の問題ばかりでなく、保護者からの不安の訴えや要望が続いています。その中でも、職員の不適切な言動、利用者への対応不足は見過ごすことのできない問題と言えます。
そこで、まず引継ぎについてお尋ねします。
前指定管理者は、新指定管理者に対し引継ぎを行う義務があります。日常点検や安全対策など、施設管理、出欠管理、おやつなど保育に関すること、受付事務、出納など事務に関すること、支援員、補助員など職員情報、その他、依頼業者、備品等、全ての事項に関するマニュアルやチェックシート、様式等々、漏れなく準備し、引き継がれていました。アレルギーなど児童情報と配慮が必要な児童については、利用児童と配置されるクラブ職員が決まった後、引継ぎをすることになっていました。
さて、昨年12月議会において、保護者の皆さんより、放課後児童クラブの指定管理者変更に当たり、子どもたちの精神的な不安、負担を減らすことを第一に考え、子どもにとって安全で、どの子にも居場所があり、子どもと共感できる保育が引き継がれるよう要望するという請願が出され、議員全会一致で採択され、議会より市に提出いたしました。つまり、子どもたちがこれまでのように伸び伸びと安全に過ごせるように、新旧の支援員さんでしっかり引き継いでくださいというものでした。
しかしながら、新指定管理者が保育の引継ぎと称した聞き取りは、3月30日、事業開始の2日前のことでした。二人組の他市の支援員が来所し、主任支援員の説明を1時間ほど聞き取り、その内容の記録を本社運営課へ送るというものでした。この二人組で6クラブの聞き取りを次々とこなしています。また、二つの自治体の支援員と新事務局員、本部と運営部の職員、それら二人組が同じく聞き取りをした報告を、本部や運営課に送って終了となっています。
その結果、食物アレルギーや対応に細かな気遣いを要する児童などの情報について、知っておくべき新配属の支援員が引継ぎを受けておらず、春休み期間に弁当を取り違えたり、障がいを持つ児童への適切な対応ができず、トラブルが多発するなど、子どもの安全や心身の安定を保つ上で様々な問題が起きています。
そこでお尋ねします。まず、なぜ出された請願の意を酌んだ本来の引継ぎが行われなかったのか、理由をお聞かせください。
次に、リーダー支援員についてお尋ねします。3月31日時点でも4月1日のシフトが定まらない状況に、地元議員などが各クラブを分担して聞き取りをしました。その結果、4月当初リーダー支援員を配置できたのは18クラブ中5クラブだけということが分かりました。リーダー支援員不在のクラブでは、リーダーが決まるまでの間、継続雇用となったパート職員や代替の職員、3月からのアルバイト学生などがクラブの中心になり、市や事務局とのパイプ役をしていました。全クラブに4月1日にリーダー支援員が配置されなかった理由を教えてください。
次に、有資格者についてです。
聞き取りをしたところによると、4月1日時点での有資格者は23名でした。五つのクラブは一人も有資格者がいません。有資格者が1名の5クラブは、その支援員が毎日11時間、週6日働かない限り、資格者不在のクラブとなります。また、支援員、補助員が固定して配置されているクラブが少なく、2か月以上経過しても、新しい支援員、補助員と児童の信頼関係が築けない状況があります。
このように実質的なリーダー支援員の不在、かつ固定した支援員が少ない中で、責任の所在が不明確であり、各クラブで様々な困り事が起きています。児童の出欠の確認ができていない、子ども同士のトラブルに誰も対応しないので、けんかやいざこざが頻発している、クラブが落ち着かず、障がいを持つ児童が情緒不安定となりトラブルになるなど、悪循環となっています。新しい支援員、補助員が多い上、学童保育の経験もなく、初任者研修さえ受けていないので、継続している支援員に様々な業務が集中し、保育がおろそかになるのが不安だという声もありました。
この2か月半に、補助員が低学年の児童を逆さにして遊ばせる危険な行為、指導のためと首根っこをつかんだり、腕を引っ張る、話しかけてきた児童に「忙しい」と言って手で払いのけるなど、乱暴な行為も報告されています。一部の職員は、児童を「おい」とか「おまえ」と呼んだり、「ばか」とか「消えろ」と言われたと、児童が保護者に訴えています。4月半ば、高齢の男性補助員が児童2名の体に触るという事件がありました。また、出席人数が半減し、おやつのシュークリームが余ったので、嫌がる児童にも2個ずつ食べるよう強要するなど、不適切な対応についても保護者からの改善の訴えがあっています。このような問題について、市が把握しておられることを教えてください。また、市としてどう対処し、どう指導してこられたのか、お尋ねします。
これで1回目の質問とします。
井上澄和 市長
吉居議員から、子どもたちが安全に、安心して放課後を過ごせる春日市学童保育の運営についての御質問でございます。
まず、なぜ請願の意を酌んだ本来の引継ぎが行われなかったのかとのお尋ねにお答えいたします。先ほど吉居議員が言われた、前指定管理者は、新指定管理者に対し引継ぎを行う義務があるとの御認識のとおり、業務の引継ぎについては第一義的に、前指定管理者であるNPO法人子ども未来ネットワーク春日が担うものです。引継ぎ等に係る事務協議については、令和元年11月から毎月定期的に、新旧指定管理者と市との3者会議を開催し、引継ぎ方法や進捗についての協議を重ねました。同じく11月には、新指定管理者であるテノ.サポートによる全クラブへの訪問及び聞き取りを開始しています。3月19日からは順次、全てのクラブにテノ.サポートが入り、実務上の把握と、各クラブ舎で管理する児童調査書に基づき、児童一人一人の配慮事項などについての引継ぎがなされました。これらを通して3月31日付で、NPO法人子ども未来ネットワークから引継ぎが完了した旨の報告書が市に提出されています。以上のことからも、引継ぎが行われていないという吉居議員の認識は、市の認識とはかけ離れています。
次に、4月1日にリーダー支援員が配置されなかった理由はとのお尋ねにお答えいたします。
配置されていないと断言された御質問ではありますが、4月1日時点でリーダーについては全クラブに配置されております。なお、その後、リーダーの役割を降りたいという申し出などがあったため、リーダーが一時的に不在の時期はありましたが、新指定管理者であるテノ.サポートが設定するリーダーというのは、前指定管理者であるNPO法人子ども未来ネットワーク春日でいう主任支援員とは担う役割が違います。テノ.サポートでは、リーダーの仕事は主に事務局との連絡調整であり、不在の間は、他の職員またはテノ.サポートの春日市担当事務局の職員が分担して担っておりました。
次に、このような問題について市が把握していることは何か、また、どう対処し、どう指導してきたのかとのお尋ねにお答えいたします。吉居議員からいろいろな事象を問題として挙げられていますが、市が把握している状況との食い違いが見られます。当然のことながら、明らかに問題となるような事案が発生したのであれば、たとえどの指定管理者であっても、市として助言や指示、指導を行うことは言うまでもございません。なお、詳細について担当の福祉支援部長に説明させますが、先ほどから吉居議員の御質問をお聞きしておりますと、どうも新しい指定管理者であるテノ.サポートに対する根強い不信感があり、その背景には、前指定管理者のNPO法人の運営に何も問題がなかったのに、なぜ行政は指定管理者を替えたのかという疑問があるものと思います。そこの部分を説明いたしませんと、引継ぎの時点や4月以降の個別の事象だけを説明しましても、本当の意味で議員の御疑念に答えることにはならないと思います。このことに関して、先日、NPO法人の昨年の実績報告などが手元に届きまして、驚くような実態が分かっておりますので、議員が問題にされている4月以降の運営との比較の参考にしていただきますよう、併せて部長から説明させたいと思います。
髙瀬 光弘 福祉支援部長
吉居議員が述べられた事案に対して、市が把握したこととの違い、また、議員が述べられた中で市民にとって誤解しやすいものがありましたので、併せて補足説明いたします。なお説明に当たり、混乱を避けるため、前の指定管理者であるNPO法人子ども未来ネットワーク春日を「NPO」と、新たな指定管理者であるテノ.サポートを「テノ」と呼ばせていただきますことを、あらかじめ御了承ください。
まず、4月1日に1か所のクラブ舎で8時の開所ができなかったことについてです。この事案の背景には幾つかの要因があります。まず一つに、NPOからテノに継続雇用の方で、開所の鍵を渡す予定であったNPO職員が、3月末頃、クラブ舎に置かれていた4月のシフト希望票、それに4月からの仕事を辞める旨の記載を残したまま、全く連絡がつかなかったことがあります。また一つに、NPOの指定管理期間が切れる3月31日の夜、作業が終わったNPO職員が鍵をNPO事務局に渡し、NPOからこの鍵の引渡しを新しいテノのほうにしないまま、また連絡も入れなかったこと、これがあります。もちろん、合い鍵の引渡しはもう既に行っておりました。その鍵の開所については、この合い鍵で対応したということです。また一つに、「鍵の引継ぎは各クラブの職員間で行うことにしてほしい」とのNPOの言葉にテノが信用し、確認をしなかったことなどが要因として考えられます。総じて、新旧の指定管理者の間で鍵の引渡しの方法に違いがあり、確認を十分にすれば防げたものです。市と致しましては、両者に対し口頭による注意を行いました。一概に新指定管理者だけの事案であるとは捉えておりません。なお、今回の調査の過程で、鍵が開かないため開所が遅れた事案について、学校や関係者等に確認したところ、NPO、いわゆる前の指定管理者ですが、その管理者が担っていた期間において、NPO職員の寝坊や鍵の忘れなどにより土曜日や季節学童の朝の開所が遅れ、NPO事務局から別の職員が合い鍵を持って走る、そんなことがあったことや、似たような事案がありました。この調査の関係でこれが判明しております。頻度と致しましては、毎年二、三回の発生でございました。このことは当然、市に報告すべき案件であるにもかかわらず、NPOからの報告はありませんでした。なお、先ほど辞退の話をしましたけれども、年度末での継続雇用辞退についてですが、先ほどの方を含めた14人の方が、テノの雇用内定が出た後、御本人からテノへ雇用承諾書の提出をされたのにもかかわらず、年度末近くになって4月からの雇用を辞退されるなど、4月当初に影響が出ておりました。これは想定されない状況となっておりました。
次に、一人の支援員が二つのクラブを分けなればならなかった小学校などがあり、問題であるとの御発言についてです。
早く出勤した支援員が、同じ小学校敷地内にある隣り合わせの第1・第2クラブ舎の鍵を一緒に開錠することは、通常想定されることです。しかし、吉居議員はこれを問題視されておられます。一人の支援員が二つのクラブの掛け持ちをするようなニュアンスでの御発言かと思いますが、そのような掛け持ちの事実はございません。次の御発言で、「新指定管理者が言うところの保育の引継ぎは3月30日、つまり新指定管理者が事業を開始する二日前になってやっと行われました」と言われました。引継ぎについては、先ほどの市長の答弁にもありますように、前年の11月から取り組んでおりますので、二日前になってやっと行われたというのは事実誤認です。なお、新指定管理者であるテノとして、NPO支援員の個々の思いや気持ちなどをつなぐために、テノが現場に派遣した職員に引継ぎのリストを渡し、NPO支援員からの説明を受ける準備をしておりました。しかし、多くのクラブのNPO支援員から、「リーダー主任以外には説明しません」などと言われたり、拒否的な態度があったなどの報告をテノから受けているところです。このため市として、前指定管理者であるNPO事務局に対し、支援員の思いをつなぐよう要請いたしましたが、NPO事務局からの指導は徹底されることはありませんでした。本来、引継ぎは、市が契約の相手方であるNPO法人、すなわちその事務局が、引継ぎ事項や各クラブからの意見等を集約した上で、テノとの間でなされるものでございます。それが議員の言われる本来の引継ぎであると捉えております。個々人、いわゆる一人一人の間で引継ぎがなされないといけないと議員が言われることは、言葉を変えて言いますと、NPO事務局が全く現場のことを知らないということなのか、現場のコントロールが全くできていないということを言われているようです。
また、これも調査の過程で分かったことですが、3月の新型コロナによる学校休校の影響で学童を開所しなくてはいけない状況のとき、NPOの人手不足のため、NPOの要請により市が他の関係機関から応援職員を確保しました。その場に居合わせたその応援職員が、派遣元の上司に報告したものです。これは3月31日の帰りの会において、NPOの主任支援員が子どもたちに対して発した言葉です。「あしたから私たち来ないからね。あしたから新しい人たちが来るからね。知らないからね」など、子どもの不安をあおるような発言があったというものです。私はこの報告を聞いたとき、子どもを大切に思い業務に携わる人の言葉ではないと、大変怒りを感じました。
次に、吉居議員が引継ぎ内容について述べられた話の中で、「二人組の他市のテノの職員が来所し、前指定管理者の主任支援員の説明を1時間ほど聞き取り、その内容の記録を本社営業課へ送るというものでした」と言われました。これはさきに述べたように、NPOの現場での拒否的な対応を受けたことに対し、運営上に課題などないかも含め、念を入れるためにテノが調査を行ったものであり、吉居議員が述べられた「性急な引継ぎ」ではございません。これも事実誤認かと思われます。
続いて、「食物アレルギーや対応に細かな気遣いを要する児童などの情報について、知っておくべき新配属の支援員が引継ぎを受けていないので、春休み期間に弁当を取り違えた」とのことを言われました。これは、NPOの指定期間中でもある3月から4月にかけての春休み中の出来事だと思われます。春休みの昼食の弁当については、本来、3月であればNPOがマネジメントすべきものですが、NPOからは「弁当対応はしない」とのことでした。よって、市が全てのクラブの弁当注文を取りまとめ、テノの協力により発注を行いました。このとき、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、利用児童数の変更が多く、手作業による発注の方法であったこと、また、保護者が申込書に間違ったクラブ名を記入していたことなどや、ダブった申し込みなどがあったことなどで、確認や処理に追われ、内容を十二分にチェックする時間が不足したことから、各クラブ舎への配食数に過不足が生じたものです。なお、この対処は即時に行っております。吉居議員の御発言を聞くと、食物アレルギーの児童に弁当を取り違えて提供したかのように聞こえますが、春休みなどの長期休校中の弁当につきましては、そもそもアレルギー対応まではできないことが前提の上で、また保護者納得の上で提供したものであり、事実誤認かと思います。
次に、「児童の出欠の確認ができていない、子ども同士のトラブルに対して誰も対応しない」との御発言についてです。児童の出欠確認については安全にも関わることですので、日々必ず行っております。また、トラブルへの対応も適正に行っており、何も対応していないとの御指摘には当たりません。続けて、低学年の児童を逆さにして遊ばせる危険な行為、指導のために首根っこをつかんだり、腕を引っ張ることなどの乱暴な行為があったということについてです。保護者から児童センターに連絡があったのは、指導のために首元をつかんだこと及び、掃除のとき足でどかしたという内容でした。このことは新指定管理者テノへ確認し、注意をするように伝えました。指導のために首元をつかんだということについて、該当である支援員、この方はNPOからの継続雇用の方ですが、直接確認したところ、「危険な場合などに子どもたちの安全を確保するため、暴れる子どもたちをやむを得ず強く制止することはあったが、首を持つなどの危険な行為はしていません」とのことでした。他の事案について、本当に起きたことなのか確認はできておりません。
次に、「おい」「おまえ」「ばか」などと言う職員についてです。新指定管理者からの報告によると、この方は子どもたちに人気があり、活発な児童との関係や信頼性の延長上で発せられた言葉であったというふうに考えております。この方もNPOからの継続雇用の方です。言葉遣いが荒く、適正さに欠く言い方でありますので、テノの事務局が指導を行っております。なお、このクラブでは、数名の児童がクラブ舎の屋根に上がったり、窓から身を乗り出して遊ぶなど、危険な状況が度々あったようですが、前指定管理者であるNPOのときには改善は見られませんでした。しかし、テノに替わったことでそういうことがなくなり、かなり落ち着いてきたと、学校からの評価も得ているところです。次に、4月半ば、高齢の男性補助員が児童の二の腕を触ったとの件ですが、双方の言い分がかなり異なっております。保護者からの申出により、新指定管理者が現場において、本人及び同時刻に勤務していた職員を含め、状況を確認いたしました。この男性補助員は、一切身に覚えがないことということで、全て拒否されておられます。同時刻に勤務していた職員から状況を確認しましたが、「その場面は分かりませんでした」とのことでした。市として、テノの事務局からの聞き取りを踏まえ、助言を行いました。テノとして、この保護者から、この補助員を配置しないでほしいとの意向を酌み、この補助員に申し入れたところ、「やっていないのにやったように言われるのは心外だ」と辞められたそうです。この方は高齢でもあり、子どもたちからとても慕われていたようです。この補助員は、「人生の最後の仕事になるだろうから、何か貢献したい」ということで仕事に就かれた方でした。双方で言い分は違っておりますが、吉居議員がこの補助員に非があるようなことを公の場で一方的に言及され、決めつけられることに対し、率直に疑問を感じております。
次に、おやつのシュークリームが余ったので、嫌がる児童にも2個ずつ食べるように強要するなどの不適切な言動があったと述べられた件についてです。これも確認したところ、欲しい児童に手を挙げさせてお代わりを上げたとのことであり、強要した事実は見当たりませんでした。なお、テノの運営方針によると、おやつに残が出てもお代わりは行わないということでしたので、この点を踏まえて、再度この職員にテノが指導を行っております。以上、全てではございませんが、市が把握していることなどを説明いたしました。が、吉居議員の御発言とかなり違いがございます。市としては、新指定管理者事務局、周りの支援員、学校関係者、保護者、時には子どもたちからの情報をもとに、補足説明したところです。今回改めて感じたことは、前の指定管理者であるNPO法人子ども未来ネットワーク春日と、新しい指定管理者であるテノ.サポートには大きな違いがあることです。それは情報の共有性と、報告、連絡、相談の徹底の違いです。テノ.サポートになってからは、多くの情報や報告等が市によく上がってきておりますが、それに比べると、NPO法人子ども未来ネットワーク春日から市への報告数はかなり少ないと感じています。6月に、前の指定管理者のNPO法人子ども未来ネットワーク春日から令和元年度の事業報告書が出されました。そこに事故件数報告があり、「軽微なものを含み、100件の発生」とありました。全てとまでは言いませんけれども、NPO事務局を通じ、市へ一報を入れるべき事案がそこに多数あることが判明しました。この100件のうち、骨折が9件、ひびが2件、落下や転倒などの打撲が41件など、市に速やかに報告すべきものがあるにもかかわらず、昨年度の市への報告件数は7件という状況であり、自発的に報告のあったのはそのうちの5件のみで、それも発生日よりかなり遅れての提出でした。その前年度である平成30年度の事業報告書においても、事故件数91件のうち、市への報告は7件しかありませんでした。ちなみに、近隣の放課後児童クラブでの件数は年20件程度ですので、それと比較しても100件というのは多いものと捉えております。また、その事業報告の中には、「クレーム」という項目もありました。クレームは、平成27年度、28年度、29年度、これはほぼ50件弱、四十数件のクレーム数があっておりました。ただ、30年度、また令和元年度は、35件、23件と、ちょっと急激に減ってはきております。状況を見ますと、例えば指導員の対応についてのクレームが多かったというものや、賞味期限切れのおやつを提供していた、また、アレルギー対応の子におやつを提供していた、そういったクレームも上がっておりました。しかし、やはり、これについても2から3件程度の報告しか市に上がってきておりません。毎月、市とこの前の指定管理者との間で意見交換会というのを毎月開催いたしておりましたが、そのときにも出ることはございませんでした。
このように、事件や事故があった場合には速やかに市に報告するよう、再三にわたり、前の指定管理者であるNPO法人子ども未来ネットワーク春日に指導を行ってまいりましたけれども、改善がなされなかったということも判明したところです。今となって言えるのは、組織的に必要な機能が働いていなかったということです。今回の指定管理者の変更が契機となりますが、いろいろと新たな情報が入りました。市として、NPO法人子ども未来ネットワーク春日との信頼の上で、その信頼の上での提供ではありますものの、より強い指導を行うなどの手だてが必要であったと、今は反省しているところです。なお、新指定管理者であるテノ.サポートからは、情報がよく入ってきております。このことは、児童の安全や健全育成を図る上でも、とてもいい傾向にあると捉えております。さて、新型コロナ感染症拡大時の3月、学校休校中における終日開所を行う必要があり、市からNPOに開所要請を行いました。前の指定管理者であるNPOは当初、「ふだんの3時半頃からでないと開所ができない」ということでしたが、何とか午後1時からの開所のめどがつき、午前中は学校側からの協力、また、テノ.サポートをはじめ関係団体が人的支援に入ることなどして、児童を終日見守ることができました。この全日開所は4月、5月の長期にわたるという異例な状況となりましたが、新指定管理者であるテノ.サポートは、人員を弾力的に配置することで乗り越えることができ、子どもたちの見守りに努めていることを申し添えます。以上でございます。
井上 澄和 市長
吉居議員のお尋ねに対し、市が把握していることを、ただいま福祉支援部長が具体的に説明いたしました。部長の話を聞いていますと、どうも吉居議員が発言されたことと、実際に市が把握したこととの間には、かなりの乖離が見られるようでございます。議員がどこで誰からどういう形で情報を得られて、この場で述べられたかは分かりませんが、場合によっては、新しい指定管理者であるテノ.サポートの業務の妨害につながりかねない内容、テノ.サポートはもとより、今働いておられる支援員の皆様の名誉を著しく毀損することになりかねない内容が多分に含まれております。市民の皆様に誤解を招き、市政に対する信頼を大きく損なうものであり、何よりも、関係する子どもたちの心にも大きな傷を植え付けかねないものもありました。事実と思って発信されたことでも、伝え聞かれたことであれば、事実とは異なる内容やニュアンスが含まれているかもしれません。また、一つの事象でも、立場によって、また見方を変えれば、大きく評価は分かれてしまいます。ここは議会という公の場でございます。事実の確認がなされないまま、一方的な伝聞だけで、このような大きな問題に発展しかねない内容の発言を、この公の場でなされたという意味は大変重いものがあります。事実でないと判明したときの影響の大きさを認識された上での責任ある御発言なのか、私は大いに疑問に感じるところでございます。これまで、放課後児童クラブの開設を願う保護者の皆様の御尽力によって、昭和53年に春日市で初めて放課後児童クラブとして、須玖小学校にチャイルドクラブが開設されました。その後、現在に至るまで、春日市内12の小学校に18の放課後児童クラブが開設されています。その間、春日市学童保育連合会を経て、NPO法人子ども未来ネットワーク春日――以下、「NPO法人」と略します――として新しいスタートを切られ、平成18年からは指定管理者制度の下で崇高な理念を掲げられ、長年にわたり、春日市の放課後児童健全育成事業の運営を行っていただきました。これまで大変な御苦労もあったと理解しておりますし、行政を預かる者として心から感謝を致しております。しかしながら、発足時から社会経済情勢が大きく変わり、共働き世帯の増加や、それに伴う入所児童の増加により、管理運営するクラブ数が増加し、また、人材確保の難しさが深刻さを増す中で、NPO法人が本市の放課後児童クラブの指定管理者にふさわしい組織として、次第にうまく機能しなくなってしまったのではないかと思います。そのことは、先ほどの部長の説明に明白に表れております。何より驚きましたのは、令和元年度の事故件数が100件もあったことです。これだけでも大きな問題ではないか、本当に適切な保育が行われていたのかと疑問に思いましたが、信じられないのは、そのうち僅か5件しか自主的に市に報告されていなかったという事実でございます。事件や事故があった場合は報告するように、市から再三にわたりNPO法人に指導していたにもかかわらず、この状態だったということは、まさか意図的にNPO法人事務局が隠蔽したということはないはずですから、恐らく、単位クラブからNPO法人事務局に報告が上がっていなかったのではないかと思わざるを得ません。まさにここにこそ、厳しい言葉かもしれませんが、NPO法人がここに至って、指定管理者としての組織のていをなしていなかったことが顕著に表れているものと言わざるを得ません。
また、本年4月1日にテノ.サポートが鍵を開けることができなかったクラブがあるということを議員から指摘されていますが、その背景を聞きますと、信じられないことに支援員の間で合い鍵が幾つも作られ、その全体をNPO法人事務局で掌握できていなかったこと、そのため指定管理者の引継ぎの段階で鍵の引渡しがうまく行われなかったこと、さらに以前から年に二、三回は職員の寝坊などによって鍵の開け忘れがあったことなど、信じられないような実態が次々と明らかになっております。これらのことだけでも、NPO法人はもはや指定管理者としての適性がなくなっていたと言わざるを得ません。そして、これらの状況がNPO法人から市に伝わっておらず、行政として放課後児童クラブの運営の実態を正確に把握することができなかったことは、誠に遺憾であります。この場をお借りして、市民の皆様に心からおわびを申し上げます。よく話を聞きますと、支援員の方々が、単位クラブ相互で人事の異動が行われていなかったということで、そこそこの単位クラブで長くなった支援員の方々を中心に、支援員の方々中心の、単位クラブ任せの運営になっていたようであります。長い年月が経過する中で、NPO法人全体として組織の統制が取れなくなっていたのではないか、責任の主体が曖昧になっていたのではないかと感じざるを得ません。事故やトラブル、けがを含め、様々な事象の報告が遅れ、NPO法人として現場の状況を把握できず、その結果として現場の指導力が低下していたことが、指定管理者の変更を契機に浮き彫りとなったものと捉えております。そこで、このようなNPO法人の実態は、これまで保護者の皆様にも伝わってこなかったのではないかと思います。先ほど振り返りましたように、春日市の放課後児童クラブの発足の経緯、また、古くから運営に関わってこられた方々が、自分の時間を惜しまず、春日市の子どもたちをみんなで育てようと一生懸命取り組んでこられた、その汗をかいてこられたことを思いますと、この場で私がこのようなことを言わざるを得ないのは、誠に残念で、申し訳ない気持ちでいっぱいでございます。私も存じている、すばらしい人たちが多いNPO法人の関係者の方々に対して、傷口に塩を塗るようなことをこのような形で言わなければならないことは、胸が潰れるような思いが致します。しかしながら、このように繰り返し繰り返し、今回の指定管理者変更の趣旨と経緯を行政から説明しているにもかかわらず、新型コロナウイルス感染拡大の大変な状況の中で引継ぎを行い、本来、放課後からの事業をいきなり朝から対応していただいている新しい指定管理者テノ.サポート、そして感染防止に気を配りながら一生懸命頑張っていただいている今の支援員の皆様を、一方的に誹謗中傷するような質問を重ねられますと、このような前指定管理者、NPO法人の組織の実態まで言及せざるを得ないようになってしまいます。これだけ利用児童数もクラブ数も増え、保護者の意識も変わり、人材確保も厳しい状況になっている中で、やはり組織の規模が小さく経営ノウハウの乏しいNPO法人では、指定管理者としての事業運営が限界に来ていたことが、今回の指定管理者の交代により改めて見えてきたところであります。これは決してNPO法人の運営に関わってこられた方々を批判する趣旨ではなく、重ねて言いますが、指定管理者を担う組織として無理がきていたということでございます。4月1日から、新しい指定管理者テノ.サポートの下で運営が開始されています。新型コロナウイルスの感染拡大という、行政にも指定管理者にもこれまでに経験のない厳しい状況の下での引継ぎでございます。緊急事態の中で、平常時よりはるかに人材確保に苦慮されたこともあったでしょう。NPO法人で勤務されていた方を希望により継続雇用するはずのところ、内定承諾後に突然多数の人から撤回されるなど、普通では考えられないようなことがあったため、交代のタイミングの中で多少のトラブルもあったでしょう。テノ.サポートも場合によっては、認識不足や足りないところがあったかもしれません。しかし、そこは冷静になって、春日市の子どもたちのために、保護者の皆さんと市が一体となって、新しい指定管理者と、厳しい状況の中で頑張っていただいている支援員の皆さんをしっかり支えていくことこそ、今私たちに求められていることではないでしょうか。緊急事態宣言が解除され、6月の第2週目にようやく、小学校と放課後児童クラブも正常な運営に戻ってきているところです。数か月にわたる小学校の休校によって、子どもたちの精神面や学習面や、とりわけ心身にも不安の影を落としており、できるだけ早く落ち着いた環境を子どもたちに取り戻してやりたいと思っております。ぜひ利用している子どもたちのためにも、この運営が定着し安定するまで、いましばらく状況を見守っていただいて、その上でどうしても足りないところがあれば、改めて御教示を頂きますよう、切にお願いしたいと思います。我々行政と致しましても、新しい指定管理者の運営に足りないところがあれば、責任を持って対応していきますので、よろしくお願いいたします。
( 岩渕 穣 議員より動議 )
先ほどの吉居議員の一般質問における伝聞情報と執行部の答弁の内容にあまりに大きな乖離を感じ、このままでは市民の皆様に誤解と混乱を与えるおそれを感じます。双方の事実関係の主張の根拠を確認するために、休憩に入り、議会運営委員会において、発言の取扱いについて御協議を求めるものであります。御賛同をどうぞよろしくお願いいたします。
松尾 德晴 議長
今の動議について、賛成者の確認を行います。
賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
松尾 德晴 議長
賛成多数であります。よって、この動議は成立いたしました。よって、ここで暫時休憩いたします。
(休憩 午後2時05分 再開 午後3時01分)
松尾 德晴 議長
休憩前に引き続き会議を再開いたします。冒頭、議会運営委員会の協議について、吉居議員から発言の申出がありましたので、これを許可いたします。
吉居 恭子
先ほどの私の一般質問について、関係各員への配慮に欠けたと誤解されるような発言がありました。今後とも公における発言には責任を持ちながら、誤解が生じないよう努めるよう致します。
以上です。
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