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2023年12月議会

食料安全保障の強化を求める意見書(案)

我が国の食料供給は、多くを輸入に依存し、食料自給率はカロリーベースで38%と先進諸国と比べ低い水準にある中、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や、ロシアによるウクライナ侵略の影響に伴う物流の停滞や農畜産物の輸入価格の高騰などにより、食料安全保障上のリスクが顕在化している。

また、昨今の円安の進行などの影響で、燃料、肥料、飼料、その他の農業生産に必要な資材の価格が上昇し、生産者は、営農継続が危ぶまれるほどの甚大な影響を受けており、我が国の農畜産物の安定生産に支障を来しかねない状況となっている。

今後も、世界的な人口増加等による食料需要の高まり、気候変動や災害による収穫量の減少など、我が国の食料の安定供給に影響を与えるリスクが存在する中で、食料安全保障の強化を図り、将来にわたる食料の安定供給の確保、食料自給率の向上を図っていくことが重要である。

よって、国におかれては、食糧危機が迫る中、食料安全保障の強化のため、次の事項について講じられるよう強く要望する。

  1. 農畜産物の国内生産の増大による将来にわたる食料の安定供給の確保に向け、中小・家族経営を含む多様な担い手による地域の下支えなど、食料安全保障の強化に係る基本政策を確立すること。
  2. 食料の安定供給に係るリスクの拡大や農業・農村の持つ多面的機能、地産地消の意義等について理解醸成を図るとともに、農畜産物生産コストの転嫁など再生産に配慮した適切な価格形成の実現に向けた仕組みを構築すること。

以上、地方自治法第99条に基づき意見書を提出する。

令和5年12月 春日市議会

衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
内閣府特命担当(消費者及び食品安全)大臣 様
財務大臣 様
農林水産大臣 様
経済産業大臣 様

提案理由

ロシアによるウクライナ侵略を機に、世界の食料品価格が高騰しています。国際連合が「第2次世界大戦以来の食糧危機」と警鐘を鳴らすほどです。

さらに、発展途上国の人口増加や経済力の向上により食糧需要が一層拡大するとともに、干ばつや地球温暖化の進行、燃料の需要増加等により穀物価格が高騰するなど、食料の安定供給に対する国民の不安が高まっています。

こうした中、我が国では、国民の食生活の大きな変化や輸入農産物の増加などから、食料自給率が低下しており、食料の安定供給の観点から他の先進国と比べても危機的な状況となっています。 

食料は、人間の生命の維持に欠くことができないものであり、食料の安定供給を確保することは、国の基本的な責務です。そのため、国内の農業生産を強化し、生産と消費両面から食料自給率の向上に必要な施策を早急に充実・強化することが必要です。 

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