吉居恭子の反対討論
本補正予算には、春日市中央部市民活動交流拠点複合施設及び周辺整備工事の基本設計等の予算(1億5千万円)が計上されています。
複合施設の建設事業は令和4年11月に、春日新50年プランとして公表され、その後、令和5年1月に市民アンケートや移転する関連団体等への聞き取り等が行われ、5月に基本構想第一版が公表されました。社会福祉協議会の施設の老朽化や、散在する施設利用の市内各地からの交通の利便性などを考えても理にかなっている点は多いと考えます。それだけに市民の関心は高く、また、各施設の関係者にとっては自分事であり、そのための数十回に及ぶ会議を重ね協議をされたとお聞きし、本当に楽しみにしておられる様子を目にします。
この第一版の位置づけは、第二版に向けた関係者との意見交換等のたたき台として、A案とB案を関係者等に提示するもので、最終的には、C案もありうるという説明がありました。スケジュールでは、10月に第二版を提示するとのことでした、
しかし、未だに第二版は提示されていません。事業費についても、議会に概略の事業費の説明があったのは、つい先日です。基本構想の提示をしないまま、設計の予算は計上するという中身を含む補正予算案です。つまり、補正予算が議会で通ったら、今後、設計は「行政が市民にとって一番良いように作るから任せて」というのでしょうか。これが、「市民が真ん中の市政」「協働のまちづくり」なのでしょうか。
全事業に係る費用は概算で70億円と聞きます。令和5年11月の春日市の人口11万2302人で割ると、生まれたばかりの赤ちゃんからお年寄まで一人当たり約62,300円相当という莫大な金額です。これだけ大きな事業費をかける複合施設建設なのに、「基本構想はまだ出せないけど、設計の費用を予算化したいので、とりあえず賛成してくれ」というのは、議会軽視、すなわち市民軽視と言わざるを得ません。よって、私は、本議案には賛成できません。