吉居恭子の一般質問
問 – 吉居 恭子
各クラブのリーダー支援員は、(情報公開)資料によると各クラブ1名ずつの配置となっているが、実際はリーダー不在のクラブがある。事実上の責任者がリーダーとして計上されている(ということになる)が、どうしてか。
答 – 春日市長
「リーダー支援員」や「事実上の責任者」などの言い方は、本市においても、また、当該指定管理者が担っている他の自治体においても使われていない。本市の放課後児童クラブに配置すべき職名は、指定管理者との協定上、「放課後児童支援員」と「補助員」である。リーダーとは指定管理者が独自に設定している職名で、当該指定管理者が指名しているので、リーダーに放課後児童支援員が指名されるのか補助員が指名されるのか、市として関与しない。
(春日市の情報公開資料には「リーダー」という言葉が記載されていました。また、昨年11月の前指定管理者職員への説明会資料には「各クラブにリーダー支援員を1名配置。リーダーは県の支援員の資格取得終了が条件」と明記されています。さらに、市民厚生委員会や春日市議会本会議の議事録にも、担当部長や市長がリーダーという言葉を使って発言している記録が多数あります。そうした中で、各クラブの支援員・補助員、事務局らが「リーダー不在のクラブがある」と明言しています。)
問 – 吉居 恭子
少なくとも固定した支援員さんの配置について、仕様書の「児童クラブごとに常勤の放課後児童支援員を1名以上配置しなければならない」を厳密に守ることを要求する。また、支援員の名前と、そのうちクラブの責任者、窓口がだれであるかを、事業者は保護者に知らせるべきではないか。
答 – 春日市
通常であれば、職員名や職名について、各クラブでの保護者懇談会等の場において周知を図ることを考えていたが、コロナ禍により、結果として保護者懇談会の場を設けることができなかった。
職員名などについては、名札の徹底や日々の連絡帳、お迎え時のやり取り、クラブからのお便りなどを通して周知を図ることにしており、今回、人事異動の実施の中で再度周知をしていくことにしている。
問 – 吉居 恭子
支援員・補助員の度々の異動が行われていると聞くが、クラブに固定した職員が配置されていないのか。職員の人事異動について、今年度になって僅か8か月の間に、少なくない数の突然の異動の指示に、各クラブはとても困っていると聞く。「やっと名前を覚えて児童との人間関係ができてきたのに、また最初からやり直し。急な異動で引継ぎがうまくできず、職員も児童も混乱している。せっかく落ち着いてきたのにリーダーさんが突然いなくなるとクラブ全体が回らない」など、悲鳴が聞かれている。来週から次のクラブへと言われ異動したが、1週間もたたないうちに、さらに異動と言われた例もある。異動に関しては極力行わないよう調整し、これ以上、子どもたちに負担がかからないようするべきと思うがどうか。
答 – 春日市
指定管理者の職員の人事異動またはその配置については、各クラブの放課後児童支援員や補助員の配置数のバランスを取りながら、また各クラブの運営手段などを平準化するため、必要な範囲で人事異動を実施しているとの報告を受けている。「突然の異動の指示」と言うが、指定管理者に確認したところ、事前に本人に異動の打診を行い、了承を得た上で異動を実施しているとのことで、適正な配置や雇用環境となるように考慮された結果であると捉えている。
問 – 吉居 恭子
人事異動については労使双方に認識の違いがあるので、お互いの意思疎通を行なってほしい。子どもたちは、新しい支援員さんにすぐには馴染めず緊張したり反発したりしたが、支援員さんが根気よく関わった結果、よい人間関係を築くことができてクラブも落ち着き「学童が楽しい」という児童の声を聞いた。そうした時に職員が異動することはどんなに大変なことか、保育のプロの事業者ならば当然分かるはず。支援員の異動は最小限にするよう指導してほしい。次に、支援員による毎月の保育計画の実施及びその報告または記録をどのようにしているのかを尋ねる。
答 – 春日市
現指定管理者は、毎月の保育計画ではなく年間計画を立て、その計画に基づいて運営しているが、本年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による非常事態への緊急対応を重ねてきたので、計画の大部分において実施することが難しい取組もあった。子どもたちと放課後児童支援員・補助員の安全を第一に、衛生管理を徹底し、感染防止を図りつつ状況を見ながら臨機応変に対応することとした。現在は独自の取組や活動ができるよう、各クラブの子どもたちの声に耳を傾けながら今後の見通しを立てている。 報告及び記録については、各クラブで毎月職員会議を行い、前月の振り返り、当月の運営状況の共有、翌月の予定や計画の確認、話合いなどが実施されている。その内容については職員会議議事録として記録を残し、指定管理者の事務局と本社との間で情報共有されている。さらには、月例のリーダー会議などで他のクラブとの情報交換や事例検討などが行われている。
問 – 吉居 恭子
保育計画は年間計画とのことだが、学校休校が解消されて数か月も経過した今、学校では工夫された最大限の取組がなされている。また、事業が始まったのは既に学校休業が始まって1か月後なので、保育計画に沿った取組や行事など、計画変更して実施できたのではないかと思う。児童が楽しみな日々の遊びの工夫やクラブ行事など実施するよう指導をしてほしい。また、研修はeラーニング等で実施されているとのことだが、保育時間中にクラブ舎内でのパソコン使用はどうかと思う。また、研修の結果が毎日の保育の向上などに生かされているか、研修結果の評価、検証のほうもお願いする。
答 – 春日市
新型コロナウイルス感染症の終息が見えない中、当初の計画どおりの実施は難しい状況にあるが、現在、感染症防止対策を講じながら、クラブ行事や季節の行事についてはできる限り実施している。今後も感染症の状況を考慮しながら、取組や行事について実施させていく。
支援員・補助員のeラーニングでの研修については、クラブ舎に設置したパソコンにより、配置時間外に行っている。対面での研修が望ましいとは思うが、コロナ禍において、感染防止に配慮した取組としてのeラーニングの活用となる。なお、研修を受講することにより、保育力向上等の面で一定の効果が出ているものと捉えている。
問 – 吉居 恭子
報告と記録については、職員間では共有されているようだが、クラブの様子が分からないと感じている保護者が多い。これは、コロナウイルス感染症でクラブの中に保護者がなかなか入れないことにも関係しているようだが、保護者が仕事の間、「子どもたちが支援員さんとどう過ごし、集団としてどう成長しているのか」また、各クラブとの情報交換など、支援員と保護者の協働の保育を続けてきた春日市の学童保育であるから保護者会への報告すべきでないか。
答 – 春日市
児童やクラブの様子は、基本的には、日々の連絡帳や毎月のお便りで情報を共有している。また、送迎の際、保護者との会話などを通して、様子を伝えるようにもしている。
*保護者の話:連絡帳の記載が少ない。お便りは発行されていないので、情報が伝わらない。
問 – 吉居 恭子
放課後児童クラブの事務局体制についてお尋ねします。
現在の事務局の責任者は、4月から始まって3人目と聞いたが、事務局員は固定されていないのか。また、現在の事務局員の人数と勤務時間はどうなっているのか。事務局体制について、事務局の人に聞いたところ、「責任者はいません。二人とも同じ職員です」と言った。また「訪問の日時や回数は言えない。訪問時に問題があれば、そのときその場で解決するから、記録は一々取っていない」とのこと。保護者からの苦情やクラブの日々の問題の内容が市には届いていないのかと心配になる。
答 – 春日市
指定管理者の春日市担当の事務局責任者である運営管理責任者については、7月に一度交代があり、その後変更はあっていない。協定上、事務局には運営管理責任者1名、副責任者1名を選任し、そのうち1名を月曜日から土曜日までの午前10時から午後6時まで配置し、連絡体制を整えることとしている。現在、事務局は運営管理責任者含め2人体制で運営をしている。
問 – 吉居 恭子
学校再開後のことだが、児童の生活域であるクラブの定期の安全点検と防災訓練は、特に1年生にとっては重要と思うが、各クラブで定期的に安全点検や訓練が行われているのか。
答 – 春日市
施設の安全点検は、毎月、各クラブごとに安全点検をさせ実施報告書の提出がある。また、こども未来課児童担当と経営企画課の公共施設マネジメント担当との合同により、全てのクラブ舎の施設点検及び劣化調査を年1回実施している。また各クラブごとに、消火・避難訓練でやる総合訓練を年1回、災害訓練を年1回、防犯訓練を年1回実施するようにしている。コロナ禍により実施に多少の影響があるが、10月5日に8つのクラブで総合訓練を実施するなど、年度末までに計画どおりの訓練を実施する予定。
問 – 吉居 恭子
保護者からの苦情や要望が事業者や行政に寄せられていると思うが、どのような内容で、どのように対処しているのか。
答 – 春日市
苦情や要望の主な内容については、児童同士のトラブルに関するもの、新型コロナウイルス感染症に関するもの、児童の出欠に関するもの、職員の対応に関するものなどがあった。寄せられた苦情や要望は、指定管理者の事務局が対応し、市に報告することになっている。市で苦情や要望を受けた場合は、指定管理者の事務局を通じ、クラブにおける事実確認やその対応についての報告を求め、必要に応じ現場確認や指示を行っている。(保護者への回答は?)
問 – 吉居 恭子
災害時やクラブでの行事等の連絡体制はどうなっているか。保護者全員がLINEや情報メールでつながっているなど、分かれば教えてほしい。
答 – 春日市
利用登録のあった保護者全員に、メールサービスの登録を活用して、全保護者に通知している。また、クラブにおけるお便りや連絡帳を通しての行事や取組等の周知、重要な情報等については本市放課後児童クラブの専用ウェブサイトにも併せて掲載するなど、周知に努めている。
問 – 吉居 恭子
保護者会との意見交換、学校との具体的な連携についてはどうか。
答 – 春日市
コロナ禍の影響で、各クラブごとに実施する予定であった入所説明会や保護者懇談会は全て中止せざるを得なくなった。しかし、送迎時での会話や連絡帳のやり取りでは解消できない悩み事、また相談事を待っている保護者のために、11月から12月にかけて保護者相談ウイークを設け、感染対策等を行った上で、各クラブ完全予約制で実施している。学校とは、運動場や空き教室の借用などで常に連携を図っている。特別な配慮が必要な児童への対応については、学校や市の子育て支援と連携するようにしている。
問 – 吉居 恭子
事業が適正に行われているかのチェックで、6月以降、各クラブ何月何日に訪問しているか。
答 – 春日市
公用車の運転記録を基に算出したものになり、徒歩による訪問数はカウントできていないが、6月から11月までの6か月間の間に、少なくとも延べ78クラブの訪問実績がある。これはコロナ禍の最中であるが、単純計算で毎月1クラブ1回ほどの訪問となる。
問 – 吉居 恭子
次に、指定管理者には、仕様書や協定書を守る義務が課されている。指定管理当初において、それらが守られているか確認していますか。また、その結果はどうか。
答 – 春日市
指定管理者の運営について、仕様書や協定書どおりの運営がなされているかは重要なことであり、市はその把握をし、必要に応じ、助言または指示を行うべきと考えている。そのため、指定管理者との定例会議等において報告を受け、協定書や仕様書に即した運営がなされているか確認を図っており、運営状態については、しっかりやっていることを市としても確認しており、守られていると捉えている。
問 – 吉居 恭子
春日市放課後児童健全育成事業の目的について尋ねる。率直に言って、市はこの事業をどのように位置づけ、重要視されていますか。
答 – 春日市
放課後児童健全育成事業は、春日市第5次総合計画後期基本計画の中で「保育環境の充実」として、保育ニーズの多様化に対応するため、保育所や放課後児童クラブにおける保育環境の充実を図るよう定めている。春日市子ども・子育て支援事業計画では、同事業を「保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校就学児童に対し、授業終了後に、放課後児童クラブ舎や小学校の余裕教室を利用して適切な遊び及び生活の場を与え、その健全な育成を図る事業」と定義し、教育・保育の必要量を確保するとともに、サービスの質の向上を図ることを目的としており、放課後児童健全育成事業を含め、市が実施している事業は、当然のことながら、その全てが重要な事業として現在実施している。
問 – 吉居 恭子
事業者は、行政の代わりに市民の福祉に携わっているのだから、仕様書や協定書が守られているか、事業者の報告だけではなく市が現場の状況をしっかり観察して把握して頂きたい。放課後児童健全育成事業があるから、小学生を持つ保護者が昼間しっかり働いて社会に貢献することができる上、国税や住民税など多額の税金も納めることができていることを考えても重要な事業である。
次に、学童保育は社会を支える事業として学校臨時休業中においても原則開所を求められ、施設設備や保育体制など、限られた条件の下で精いっぱいの感染対策を図りつつ、支援員さんたちの尽力によって日々の保育が行われてきたことを考え、全国各地で、地方創生臨時交付金や寄附金などを活用し、自治体独自で学童保育職員に、最大5万円から6万円の慰労金または電子マネーや商品券など、支給が行われている。春日市においても、3月の臨時休校から今日まで勤務された支援員及び補助員に対し、慰労金の支給を行うことで、労をねぎらい、感謝の気持ちを表す考えはないか。
答 – 春日市
指定管理者の従業員にさらに市独自の慰労金を支給してはとの提案だと捉えている。
放課後児童クラブだけに着目した形の市独自の慰労金等の支給は難しいと考えている。
要望 – 吉居 恭子
学童保育の場合は、今回はもう本当に、学校休校という今までにない突然なことで、「学校休校なのに何で学童が開くの」というぐらいのちょっとおかしな、もう青天の霹靂というようなことだったと思う。だから、そこら辺も考えて、引き続き考えていただきたい。。
意見と要望 – 吉居 恭子
半世紀近く続いた市民主体の管理運営が初めて民間企業に変更になって、市としては詳細にその運営の様子を確認すべきと思う。利用者である保護者の声と、指定管理者から上がる市への報告の間には乖離がある。市は指定管理者の話だけを聞いて問題ないとするのではなく、実際の利用者の声もより多く聞いていただくことを要望する。さらに、事務局の責任者は存在するのかしないのか、市と指定管理者の職員間で認識の違いがある。クラブ訪問の記録についても、はっきりさせて頂きたい。
次に、指定管理者や春日市への苦情、要望などへの対処はされていると聞いたが、その結果について、保護者や保護者会への報告をお願いする。災害時やクラブ行事の連絡について、お便りは今回初めてもらったとか、連絡帳にあまり記録がされていないという保護者の声もある。特に1年生は、連絡帳を保育園の続きでよく見られると思うので、やっぱり連絡帳に何か子どもの様子が書いてあると、よく分かるし、ほっとするので、お願いする。
春日市放課後児童クラブのウェブサイトで情報収集をと言われた。「ウェブサイトに上げています」と市はよく言うが、フルタイムで働いて、帰れば洗濯物を取り込んで、食事の支度をして、子どもに夕飯を食べさせ、お風呂に入れて、あしたの準備をさせて、あとは洗濯、後片づけが待っている。より簡単に、より確実に伝わる方法を考えていただきたい。夏の期間に楽しい水遊びがあったが、前日たまたま休んでいた子は知らなかったので、水着を持って来ず遊べなかった、などということのないよう、周知をお願いする。
私は、学童保育の指定管理者変更に際して、どうしてこんなに苦労するのだろうと、ずっと考えている。もちろん、どの自治体であっても指定管理者の変更のときは、多かれ少なかれ大変なんだということは聞いているが、今回のことで思ったことは、市と事業者と支援員と保護者の四者間で相互に信頼関係ができなかった、まだできていないということと、対話不足で行き違いが多かったことが原因なのではないかと思う。
昨年9月議会で、指定管理者の指定に対する議案の採決の前、つまり9月6日の市民厚生委員会で、支援員の確保についての説明では、職員の処遇面で現指定管理者とは遜色はない、もしくはそれ以上という評価だった。このような市からの説明に、大方の職員の継続雇用は可能と判断した議員も多かったようである。しかし、決定した後の11月、新事業者からの職員への説明会で、実は給与に大きな開きがあり、そのために、生活を考えると結果として継続できる人が少なかった。このようにお互いの認識が全く行き違ったまま変更となったのも、混乱の一因と考える。ちなみに事業者変更時に、処遇が幾分か改善された某自治体では、全員が再雇用となった例もあった。事務局の方が図らずも、「支援員資格は新しい資格なので持っている人がそもそも少ない。前指定管理者の支援員が継続の上での人数見込みだったから」と、支援員の配置に苦労していることについて言っているが、これも認識の違いから来た見込み違いと言えるのではないだろうか。
そうした認識の違いがある上に、新事業者との意思疎通が希薄なままで、不安になった支援員が残れなかったこと、直前になって十数名辞退されたという発言もあったが、これは事実誤認なので、この場で支援員さんたちの名誉のため言っておく。
その他、保護者からの訴えがあるのに、新指定管理者の報告を聞いて「問題はない」と市が断定した発言をする。当事者が問題だと言っているのに、当事者でない人が問題ないと言ったのでは、当事者には不信感や失望が残るのではないか。そうでなくても、保護者は「苦情を言うと支援員さんたちが板挟みになるんじゃないか」「支援員さんたちが移動させられたら困る」「子どもに何か不都合になるんじゃないか」と随分遠慮をしている。これは保護者の方から実際聞いたが、保護者会の役員同士で話し合って「よほどのときだけ、やんわりと話そう」となったとのこと。
もちろん、初めて指定管理者が替わったのだから、苦情や要望があって当たり前で、最初からうまくいくはずはないので、行政としては事業者任せにせず、まず利用者の話をしっかり聞くのが一番と思う。また、認識の違いと言うが、それなら、学童保育の重要度に対する認識の違い、子どもの人権や成長、日々の幸せに対する認識の違いとなってしまうと困る。そうした認識の違いを少なくし、信頼関係を構築するのは、利用者である児童や保護者、現場の支援員の声をしっかり聞くことから始まるのではないか。また、誰にでも勘違いや思い込みや言い間違いがあるが、それが分かったときにそのままにせず、勇気を持って間違いを認め、修正することが、信頼関係の構築につながり、ひいては、本当に住みたい春日市、教育の春日市であり続ける力になると思う。