春日市における「重要土地等調査規制法」
コロナ禍の中、通常国会閉会日(2021年6月16日)未明に「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律(重要土地等調査規制法)」が参議院本会議で強行採決され、成立しました。
春日市には、陸上自衛隊駐屯地、航空自衛隊基地などが市の中心地にあるため、無関心ではいられない法律となります。
この法律は、政府が安全保障の上で重要だと判断した施設(米軍基地・自衛隊基地、海上保安庁施設、原発等)の周辺や国境離島の土地利用を規制する法律です。
重要施設の周囲約1キロ以内にある土地や建物の利用状況や利用者の調査ができ、施設などの機能を阻害する行為には懲役を含む刑事罰を科すことも可能となります。
この規制対象の定義は曖昧で、調査や情報収集の対象に条文上の制限がありません。職業や収入、交友関係やSNSでの発信など、個人に関わる情報についても、総理が必要と認める場合には、公安調査庁や自衛隊情報保全隊、内閣情報調査室などから情報提供を受けることも、条文上排除されていません。
第三者によるチェックや歯止めの仕組みはなく、役所や事業者、地域住民から情報提供を受ける窓口を作り、密告まで推奨するつもりです。5年後の見直しで、機能阻害行為を理由にした強制接収、収容手続きを含めた検討も否定していません。
弁護士会からも廃止や反対を求める声明が出されています。一部をご紹介します。