広島と長崎にアメリカの原子爆弾が投下されてから72年を経た2017年7月 7 日、歴史的な核兵器禁止条約が採択されました。
条約は、核兵器について破滅的な結末をもたらす非人道的な兵器であり、国連 憲章、国際法、国際人道法、国際人権法に反するものであると断罪して、これに 「悪の烙印」を押しました。
核兵器はいまや不道徳であるだけでなく、歴史上初めて明文上も違法なものとなりました。条約は、開発、生産、実験、製造、取得、保有、貯蔵、使用とその威嚇にいたるまで、核兵器に関わるあらゆる活動を禁止し、「抜け穴」を許さないものとなっています。また条約は、核保有国の条約への参加の道を規定するなど核兵器完全廃絶への枠組みを示しています。同時に、被爆者や核実験被害者への援助を行う責任も明記され、被爆国、被害国の国民の切望に応えるものとなっています。
このように、核兵器禁止条約は、被爆者とともに私たち日本国民が長年にわたり 熱望してきた核兵器完全廃絶につながる画期的なものです。
2017年9月20 日、核兵器禁止条約への調印・批准・参加が開始されて以降、国際政治でも各国でも、前向きな変化が生まれています。条約調印国はアジア、ヨーロッパ、中南米、アフリカ、太平洋諸国の86か国。批准国は54か国です。同条約は2020 年 10月24日、国連軍縮週間の初日に批准国が50か国となったことにより、2021 年 1 月 22 日に発効しました。
アメリカの「核の傘」に安全保障を委ねている日本政府は、核兵器禁止条約に背を向け続けています。こうした態度をただちに改め、「唯一の戦争被爆国」として核兵器全面禁止のために真剣に努力する証として、核兵器禁止条約に参加、調印、 批准することを強く求めます。
(賛成4.反対15で否決)