初めに、5分という短い時間ですので、本市教育施策をはじめ高く評価される多くの施策についての言及は割愛させて頂くことを申し上げておきます。
まず、令和4年度の春日市の財政運営は、委員長報告にもある通り、経常収支比率、4つの財政健全化判断比率など財政指標からみると、きわめて健全であるといえます。
一方で、市民生活は、コロナ禍からの回復途上で、さらに年度当初から、食料品はもとより、燃料費、光熱費等の物価高の嵐が吹き荒れる一年間でした。バブル崩壊後30年間、賃金は横ばいのまま、国民負担率は47%という中、これでもかという物価高騰に疲弊した市民は多いと推察されます。
帝国データバンクの統計によると、コロナ関連の法人や個人事業主の倒産は、前年比6%の増、インボイス導入を前に廃業という話もよく耳にします。税金の滞納苦を一つの要因として、自死された事例もご存じと思います。
また、等価可処分所得127万円未満が、我が国の貧困ラインですが、それ以下の所得で生活する国民の割合:貧困率は15.4%です。OECD公表の各国貧困率の最新値で世界第31位、先進国では最悪です。想像してください。単純計算で、春日市で、1万6,730人の市民が、貧困ライン以下の生活をしているのです。コロナ禍に続く物価高騰は、特に低収入の市民の生活に、災害ともいうべき大きな打撃を与えているのは想像に難くありません。
国の低所得者支援は、一時的です。国の支援が届かない時、地元春日市が、できる限りの支援をするべきではなかったかと考えます。
本市、令和4年度の基金積立残高は、約174億円です。令和3年度から、17億5千万円の増です。コロナによる事業の破綻や物価高騰で市民が苦しむ時に、基金積み立てを優先して、市民への責任を忘れたのではないかと言わざるを得ません。
ちなみに、令和4年度当初予算では、4年度末の基金積立残高予想額は約149億8千万円です。つまり、予定より24億6千万円も多く積み立てたことになります。家庭だと、子どもや家族が病気をした時に、将来の建築資金や老後の積み立てを後回しして病院に払うお金をつくるのではありませんか。
必要な時に、必要な事に、必要な金額を工面して作り、市民のために使うのが、本来の行政の役割ではないでしょうか。
また、子育て支援では、就学援助の認定基準額を近隣自治体平均額まで引き上げるための300万円を出せないとする一方で、子どものおやつ代2200万円のうち220万円を使わずに利益とした指定管理者の収支報告に何の対応をしなかった市の態度にも、疑問を感じます。以上、コロナ終息途上の物価高騰という市民の非常事態に心を砕き全力で対処することなく、平時と同じような財政運営を行ったと考えざるを得ない、本決算認定に反対いたします。