吉居恭子の一般質問
吉居 恭子
私は通告に従い、市政運営の透明性と市民への説明責任についてと、コロナ禍で児童生徒に寄り添う学校運営について、回数制で質問を行います。
初めに、市政運営の透明性と市民への説明責任について質問します。
まず、指定管理者制度の運用についてお尋ねします。
今から17年前、地方自治法の一部を改正する法律により、公の施設の目的を効果的に達成するため必要がある場合は、法人その他の団体であれば特段の制限は設けず、公の施設の管理主体を民間事業者、NPO法人等に広く開放し、公の施設の管理を行わせることができるという指定管理者制度ができました。具体的には、民間事業者の力を活用した住民サービスの向上、施設管理における費用対効果の向上などが目的とされています。本市においても、民間事業者のノウハウを活用した住民サービスの向上、施設管理における費用対効果の向上など、市民生活にとってよりよい選択のためということで、春日市内の公共施設を指定管理者運営へ、保育所ではさらに公私連携型保育法人運営へというように、その管理運営を直営や市民運営のNPO法人から民間へと、次々と移譲してきました。その際の指定管理者の選定は、市民にとって最善の利益が求められることから、選定は厳格に透明性を持って行われるべきということは当然のことであります。しかし、春日市の指定管理者制度の運用について、改善をすべきではないかと思うことがありますので、質問をさせていただきます。
まず、指定管理者の公募に応じた団体の存在が全く分からないことについてです。昨年12月、私は、放課後児童クラブの指定管理者に応募した4事業者名の情報公開を求めましたが、候補者、つまり選ばれた1社以外は黒塗りの回答でした。本市において、指定管理者の応募団体名の情報が公開できない理由を教えてください。
次に、指定管理者選定に当たる選定委員は、市の条例により、文化、スポーツ、教育、福祉事業など、どんな事業であっても、市の幹部職員と副市長の庁内メンバーだけと聞きました。外部有識者や専門家、利用者や市民代表などが入っていないようですが、本市が市役所内部だけで指定管理者を選定する理由を教えてください。
次に、情報公開制度と市民の知る権利についてお尋ねします。
本市にはホームページもあり情報公開制度もありますが、もっと積極的に市のほうから情報公開をしてもらえないかと考えます。市の施策についての説明はどのような基準で行われているのでしょうか。例を挙げますと、平田台の市所有地である春日運動広場と、西鉄が平成29年に住宅建設のため購入し、所有していた日之出水道跡地との土地の交換について、住民への説明が遅れたことについてです。
令和元年12月議会における一般会計補正予算では、平田台運動公園に市民が長年の利用のため設置していた防球ネットの撤去費用など、土地の等価交換に関する条件整備のための予算が計上されていました。それによると、西野球場が既に存在している隣地に──隣ですね──後で西鉄が買い、開発した一戸建て住宅を購入した市民から、西野球場からのボールの飛び出しや、夜間照明や騒音などクレームが予想されるのを市が懸念してというのが一つの理由でした。2月下旬になって平田台公民館で行われた住民説明会に参加しましたが、長年、野球、グラウンドゴルフ、サッカーなどスポーツや、夏祭り、運動会など、自治会行事に大事なコミュニティの場として、親しみ活用してこられた平田台地域住民の皆さんは、西鉄との土地交換の契約を前に、初めて市から直接説明を受けている方も多く、驚き、落胆され、予定時間を大幅に過ぎても質問が終わらない状況でした。30年ほど前に学校用地として春日市が平田台の土地を取得した際は、多くの春日市民も協力し、実現したと聞きます。結果として学校建設には至りませんでしたが、そうであるなら、西鉄との交渉後の説明ではなく、住民への説明をもっと早期にできなかったのかと思いますが、いかがでしょうか。また、このように総合計画の中の実施計画にないようなことが補正予算などで示されることがありますが、市民生活に密接に関係することに関しては、どういう基準で行われるのでしょうか。実施計画とはどの段階なのでしょうか。その基準はありますか。以上、市政の透明性と市民への説明責任についての1回目の質問とします。
次に、コロナ禍で児童生徒に寄り添う学校運営についてお尋ねします。
新型コロナウイルス感染症は、経済ばかりでなく、今やあらゆるところで人々の生活を一変させていますが、特に子どもたちの成長への影響には大きなものがあります。まず、本年3月初めから5月20日までの2か月半余りの突然の臨時休校がありました。それぞれの自治体が手探りで子どもたちへ対応したようですが、春日市の小中学校では、休業開始の1日の猶予、休業中の家庭訪問や電話による児童の安否確認など工夫をしながら、児童・生徒と学校とのつながりを大事にされてきたと聞きます。
まず、臨時休業中の児童・生徒の生活面、学習面など、具体的にどのような手だてを取られたのか、また、その中での成果と課題となったことについて教えてください。
次に、臨時休業明けと夏休み明けの児童・生徒の様子と課題について、児童・生徒のメンタル面、体調管理、不登校問題などの対応で、気になる事と工夫している事などを教えてください。
また、学校現場でのコロナ感染防止対策、3密の回避、熱中症対策、児童・生徒のロコモ対策──これは運動機能低下への対策について、体育の授業、水泳行事はどの程度できるのですか。
最後に、学校におけるエアコン設置状況についてです。普通学級にはエアコンは設置されておりますが、体育館や多目的ホールなど、まだ設置されていません。新型コロナウイルス感染症対策にも、熱中症防止にも必要ではないかと思います。設置するには、予算的にはどの程度かかるのでしょうか。以上、1回目の質問とします。
井上 澄和 市長
吉居議員から、市政運営の透明性と市民への説明責任についての御質問でございます。
まず、指定管理者の公募に応じた団体名の情報が公開できない理由についてのお尋ねにお答えいたします。本市における情報公開につきましては、春日市情報公開条例に基づき行っています。情報の開示請求があった場合は開示することを原則とし、例外として、八つの事項に該当する情報についてのみ不開示とすることが、この条例で定められております。議員お尋ねの指定管理者の公募に応じた団体のうち、選ばれた1社以外の団体名については、落選した事実が公になることにより、その団体の正当な利益を害するおそれがあるため、春日市情報公開条例第4条第1項第2号に規定する不開示情報に当たると判断し、不開示とさせていただきました。
次に、市役所内部だけで指定管理者を選定する理由についてのお尋ねにお答えいたします。
本市では要綱で定めるところにより、春日市公の施設指定管理者選考等委員会において指定管理者の選考を行っており、議員御案内のとおり、副市長、部長級の職員及び市長が指名する職員で構成されています。指定管理者は短くても1期3年、長ければ10年以上にわたって対象施設を管理することとなるため、その選考には重い責任を伴います。加えて総合的な判断も必要となるため、選考に携わる者は、対象施設の事業のみならず市政全般について一定の知識を有していることが望まれます。また、選考に携わる者の選任に当たっては、公平性や中立性を確保することも必要となります。応募者との距離が近く、公平性や中立性に疑問を持たれるような者は除外しなければなりません。例えば施設利用者などは、現在の指定管理者とのつながりという点で配慮が必要と思われます。指定管理者の選考はこれらの点を勘案しながら行うものであり、一概に市職員だけで選考するのは悪く、外部の者を加えることがよいと言えるものではないと認識しております。大切なことは、それぞれの自治体の事情に合った適切な選考の在り方を見定めることではないかと考えます。
以上のことを踏まえ、本市においては、部長級の職員を中心とした市職員による選考が望ましいと判断し、現行の手法により指定管理者の選考を行っているものでございます。
次に、土地の交換について、市民への説明をもっと早期にすべきではなかったかと思うがいかがかとのお尋ねにお答えいたします。本件につきましては、昨年12月議会において、他の議員からの一般質問で答弁いたしましたが、平成30年度に西野球場の借地解消に着手した段階で、隣接する日之出水道跡地に戸建て住宅開発が計画されていることを担当所管が認識したことが発端です。議員御指摘のとおり、西野球場の横に住宅が建ち並びますと、ボールの飛び出しや夜間照明、騒音など、様々な課題が発生することにより、西野球場の機能が低下することを懸念し、それでも借地解消に進んでいくことが適切かとの観点から検討を行ったものです。
同じく昨年の12月議会で、他の議員からの一般質問で答弁いたしましたが、地域の皆様に対しては、令和元年9月議会前に、各常任委員会に対する説明と併せて、関連する平田台、春日、白水ヶ丘の各地区の自治会長に市の方針を説明し、平田台地区においては自治会役員会においても説明させていただきました。9月議会終了後の10月には、それぞれの地区の出前トーク「市長と語る」におきまして、春日運動広場や西野球場の今後の方向性について説明し、意見交換を行いました。議員御案内のとおり、本年2月に改めて平田台地区、白水ヶ丘地区に説明会を2回ずつ行い、様々な御意見をいただいたところです。本事業につきましては、平成30年度から西日本鉄道株式会社との交渉を進めておりましたが、土地の交換が成立する見通しが立たない段階では、地域の皆様への説明は相手がある以上難しいため、令和元年7月に同社の方針が決定し、見通しが立った後、速やかに市民全体の代表である市議会に説明するとともに、段階を追って地域の皆様に説明させていただいたところです。
次に、実施計画に計上されるものとそうでないものの基準はあるかとのお尋ねにお答えいたします。議員御承知のとおり、実施計画は、次年度以降3か年の間に実施される事業を決定する計画で、当初予算編成と連動しています。実施計画に計上される事業の基準は、毎年度4月初旬に実施計画策定方針を定め、その中で実施計画の査定を受けるべき事業として示しています。そして原則として、この基準に該当する全ての事業について、次年度当初予算の編成作業前までに査定を行っており、そのうち実施の方針決定がなされたものが実施計画に計上されています。一方、実施計画に計上されない事業としては、実施計画の策定方針の基準に当てはまらない事業、緊急性が高く実施計画の査定スケジュールに合わない事業、交渉事など相手がある事業で、一定の段階まで進行しないと具体化できないものなどが該当することとなります。先ほど申し上げました西日本鉄道株式会社との土地の交換に関する事業は、まさにこれに当たります。
コロナ禍で児童生徒に寄り添う学校運営についてのお尋ねについては教育長が回答いたします。
扇 弘行 教育長
次に、コロナ禍で児童生徒に寄り添う学校運営についての御質問でございます。
まず、臨時休業中の児童・生徒の生活面、学習面などに対する具体的な手だて及び、その成果と課題についてのお尋ねにお答えいたします。休業期間中に行った生活面の支援としましては、担任から児童・生徒に対して定期的に電話連絡を行いました。これは毎日の健康観察に代わるもので、このことにより、児童・生徒の健康状態や規則正しい生活を送れているかなどの確認を行うことができました。また、ほとんどの小中学校でオンラインによる朝の会を行いました。これは画面を通して児童・生徒と対面することで健康状態を確認することができ、また、担任と児童・生徒、あるいは児童・生徒同士のコミュニケーションの場となるものでありまして、安心感につながったと聞いています。学習面の支援としましては、全小中学校で定期的に課題プリントの配付、回収を行いました。さらに全ての中学校で、双方向のオンラインによる学習支援や、授業動画の配信による学習支援を行いました。このことにより、休業期間中も途切れることなく児童・生徒に家庭学習を促すことができたと考えています。課題としましては、今後の感染拡大に備えオンラインや授業動画による学習支援を小学校にも広げていくことが挙げられます。
次に、臨時休業明けと夏休み明けの児童・生徒の様子と課題、メンタル面、体調管理、不登校問題などの対応についてのお尋ねにお答えいたします。臨時休業明けの児童・生徒の様子は、久しぶりに友達と過ごせる喜びに満ちたものであったと報告を受けていますが、休業期間中のストレスが大きかったものと捉えて、次のような対応を取りました。例年、長期休業明けは児童・生徒の変調や不調が多くなるため、注意深く観察を行っています。特に本年度は、過去経験のない新型コロナウイルス感染症の拡大と、それに伴う長期の臨時休業があり、その休業明け、また夏休み明けには、よりきめ細やかに児童・生徒の実態把握に努めました。具体的には、小中学校で毎年作成している生徒指導全体計画に基づき、毎月実施しています学校生活アンケートを行った後、教育相談週間を設定するなどして、担任が一人一人から話を聞いています。さらに、新型コロナウイルス感染などの不安がある場合、担任や養護教諭などの教員が個別に相談を受ける体制を取っています。また、児童・生徒の体調管理の対応としましては、家庭で記入する健康チェックカードを活用し、各学校において、朝の健康観察時などに体温や健康状態の確認をしています。なお、体調不良や新型コロナウイルスの感染不安などにより登校できない場合は、欠席ではなく出席停止として取り扱うこととしています。不登校については、本年度は臨時休業により、実質的な学校の始まりが約2か月遅れていること、また、体調不良や感染不安などによる出席停止があることから、現段階では詳細な状況は明らかではございません。なお、登校ができていない児童・生徒の対応については、教育相談や不登校専任教員が、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーと連携してきめ細やかに行っています。
次に、学校現場で新型コロナウイルス感染防止対策、熱中症対策などが実施されている中、児童・生徒のロコモ対策として、体育の授業や水泳行事はどの程度できるのか、とのお尋ねにお答えいたします。学校では、新型コロナウイルス感染防止対策として、児童・生徒の下校後に国及び県のマニュアルに基づく消毒の徹底、また、熱中症対策とバランスを取ったマスクの着用などに取り組んでいます。この中で、学校の臨時休業や外出の自粛などにより運動の機会が減ったことに伴う児童・生徒の身体・運動能力の低下への対応につきましては、感染リスクを低減して楽しめる、接触しない鬼ごっこなど、ルールを工夫した体育の授業の実施や、段階的な部活動の再開、こういうものを通して体力の回復及び向上を図っているところです。本年度の水泳の授業については、感染症拡大のリスクを払拭できないため、やむなく中止いたしました。運動会、体育会などの学校行事については、中止または規模の縮小、時間の短縮をするようにしています。
次に、体育館や多目的ホールにエアコンを設置する必要があると思うが、設置するには予算的にはどの程度かかるのかとのお尋ねにお答えいたします。学校に空調設備を設置する場合、設置する建物の面積や形状、構造、設備の状況により、設置費に大きな差が生じます。そのため、事前に設計業務を行い、必要となる空調機の能力、附属設備の改修の必要性などについて精査しなければ、空調設備の設置に必要な工事費を正確にお答えすることはできませんが、他の自治体の実績などを参考にしますと、設計監理費も含めた空調設備設置工事費として、1校当たり、体育館はおおむね6,000万円程度、多目的ホールはおおむね3,000万円程度と見込まれます。
吉居 恭子
市政運営の透明性と説明責任について、再質問を行います。指定管理者の公募に応じた団体名の情報が公開できない理由は、落選した事実が公になることにより、その団体の正当な利益を害するおそれがあるためとのことですが、自治体によっては、団体名、それぞれの団体の総合評価点、提案価格など、選定理由が市のホームページ上で公開されているところもあります。点数は出さないまでも、せめて応募した団体名は公表していただきたいと思います。市長もおっしゃっておりましたとおり、自治体の特性と様々な事情に応じて、選定委員会は最適・最善の選択をするわけで、そのことが応募団体の正当な利益を害すると案ずる必要はないと考えるからです。
次に、市役所内部だけで指定管理者を選定する理由についてです。もちろん要綱に定めてあることは存じております。重い責任と総合的な判断、市政全般について一定の知識を有していることも望まれ、公平性や中立性を確保することも必要。もっともだと思います。しかし、施設利用者が現在の指定管理者とのつながりがあるのは当然のことで、そのことを理由にせず、日々利用する市民も選定委員に加えてほしいと思います。もちろん、市の職員、外部有識者、専門家、利用者代表、市民代表といった、それぞれ違った立場の人であったとしても、応募団体と利害関係にある場合は選定委員になれないのは当然のことです。
それでは、管理する側である市役所内部の委員だけでは分からない、実際の利用者が希望し、重要視している利便性や条件など、選定委員会ではどのように把握し、選定に反映させておられるのでしょうか。利用者へのヒアリングなどを行っておられるのでしょうか、お尋ねします。
次に、実施計画については、緊急性が高く、実施計画の査定スケジュールに合わない事業、交渉事など相手がある事業で一定の段階まで進行しないと具体化できないものなどが、実施計画には計上されない事業であるとのことはよく分かりました。
次に、質問通告には「情報公開制度」と書きましたが、「情報公開」と訂正させていただきます。情報公開についてお尋ねします。春日市公共施設等民間提案制度についてですが、本年6月3日よりホームページ上で公募が行われていたと聞きますが、総務文教委員会には7月22日の委員会で初めて報告があっていました。その時点で既に数件の応募があっていたそうです。こういった案件の報告の時期、または「市報かすが」などでの広報はどうなっているのでしょうか。
石橋 徹 経営企画部長
吉居議員から、市政運営の透明性と市民への説明責任についての再質問でございます。まず、指定管理者選考等委員会において、利用者が希望し、重要視している利便性などの条件をどのように把握し、どのように反映させているのかとのお尋ねにお答えいたします。各施設の利用者の様々な御要望等については、それぞれの施設を所管する担当課が、日常業務を通して利用者から直接お聞きしたり、アンケートを実施したりして、的確な把握に努めております。その上で指定管理者の選考においても、その担当課が把握した情報を春日市公の施設指定管理者等選考委員会の中で共有し、選考に反映させております。
次に、春日市公共施設等民間提案制度のような案件の報告の時期や市報への掲載はどうなっているのかとのお尋ねにお答えいたします。現代の多様化する課題に対応していくためには、従来どおりのやり方では限界があります。そこで、民間の創意工夫を活用し、市民サービスの向上と財政負担の軽減を図ることを目的に、今年度から春日市公共施設等民間提案制度を導入いたしました。この民間提案制度は、市民ではなく民間事業者へ提案を呼びかけるものであることから、本年6月1日の制度導入後、直ちに「市報かすが」ではなく、市のウェブサイトにて周知を行ったものになります。また、公民連携で有名な日本PFI・PPP協会にも協力を依頼し、同協会のウェブサイトでも民間提案制度について掲載いただき、周知を図っているところです。
吉居 恭子
市政運営の透明性と市民への説明責任について、再々質問を行います。まず、指定管理者制度の運用についてですが、利用者が希望し、重要視している利便性などの条件の反映については、担当課が日常業務を通して、利用者の声やアンケートなどで把握している情報を選考委員会の中で共有し、選考に反映させているとの御回答でしたが、利用者の声を聞いた担当職員からの情報というと伝聞となり、利用者と市の担当職員という立場の違いでは、正確な情報は伝わりにくいのではないでしょうか。利用当事者や市民をぜひ選考委員に加えていただきますよう、御検討をお願いします。現在の春日市の指定管理者制度の運用の仕方では、応募者も不明、選考委員は副市長と幹部職員だけ、選考委員会も非公開では、市民への説明責任を十分に果たした事にならないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
次に、指定管理者の労働問題についてです。
令和元年5月に総務省自治行政局行政経営支援室から出ている、指定管理者制度導入の状況に関する調査結果によると、指定管理者制度を導入している市区町村の状況は、文教施設では導入している自治体が全体の22.1%、そのうち株式会社が指定管理者になっているのは9.4%で、自治体全体でいうと僅か2.07%だけです。社会福祉施設では、指定管理者制度を導入している自治体が全体の17.5%、そのうち株式会社は6%で、株式会社が指定管理者になっている自治体は、全体の僅か1.05%となっています。そして、そのどちらも半数以上が公共的団体や地縁による団体となっており、教育や福祉という公共福祉に関わる領域であることが理由ではないかと考えられます。労働条件についてですが、労働法制の遵守や雇用・労働条件への配慮規定の協定等への記載状況では、市区町村では62.8%が、選定時か協定時またはどちらにも記載しているという結果でした。具体的な内容では、人員配置、勤務体制、労働時間に関すること、労働条件、労働環境などモニタリングに関すること、継続雇用に関することなどがありました。春日市の指定管理者制度においては指定管理者の権限が大きく、雇用に関しては指定管理者が決めることだからと、市としては何も言えないとの立場のようですが、全国での制度運用ではそうではないのではないでしょうか。同じ仕事なのに勤務時間が随分違う、3分の2から2分の1の年収になる人がいるなど、これまで働いていた職員が継続して働けないような労働条件では、支援の持続性が大事な福祉事業、公共事業として適切なものだとは言えないのではないかと思います。
平成22年12月28日に総務省自治行政局長より出された通知「指定管理者制度の運用について」にも、「指定管理者が労働法令を遵守することは当然であり、指定管理者の選定に当たっても、指定管理者において労働法制の遵守や、雇用・労働条件の適切な配慮がなされるよう留意すること」とあることを申し添えておきます。また、「指定管理者制度は、公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者を議会の議決を経て指定するものであり、単なる価格競争による入札とは異なり、指定管理者制度を活用した場合でも、住民の安全確保に十分に配慮するとともに、指定管理者との協定時には、施設の種別に応じた必要な体制に関する事項、リスク分担に関する事項、損害賠償責任保険等の加入に関する事項等の具体的事項をあらかじめ盛り込むことが望ましいこと」とあります。つまり、市が公共施設に指定管理者制度を導入したときであっても、市民サービスの水準が保持されているかどうかを適切に点検していくことが必要だということです。よりよい制度運用のため、指定の手続に関するガイドラインの改善をお願いしたいと思います。
最後に、市民の声に耳を傾ける姿勢についてです。新型コロナの影響で本年は開催されませんが、毎年、全ての公民館において市長の出前トークが開かれていました。いろんな意見や要望が出る中で、各部長や市長が丁寧に、誠実に答えられていると感じていました。しかし、市民一人一人は様々な年齢や家庭環境にあり、出前トークで発言できる人ばかりではありません。これからはぜひ、これまで発言することのなかった子どもたちや障がい者の方々の声も身近に聞いてくださるよう、お願いいたします。
以上、市政の透明性と市民への説明責任についての質問を終わります。
石橋 徹 経営企画部長
吉居議員から、市政運営の透明性と市民への説明責任についての再々質問でございます。現在の春日市の指定管理者制度の運用では、指定管理者の選考において、市民への説明責任を果たすことにはならないと思うがどうかとのお尋ねにお答えいたします。地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担っております。そして、地方公務員は全体の奉仕者として、住民から負託を受けて公務を遂行しなければなりません。このため、職員だけで処理を行っている事務は多岐にわたります。その中にあって、指定管理者の選考に限って職員だけで処理することを問題視する、特段の理由は見当たらないものと考えます。また、先ほど市長が答弁しましたとおり、職員だけで選考を行うこと及び応募者名を公開できないことにつきましては、いずれも正当な理由がございます。これらのことから、本市の指定管理者制度の運用においては、市民への説明責任を果たしているものと認識しております。
なお、議員の御質問の中で、全国の事例として、教育や福祉の分野の指定管理者に株式会社が少ないことを挙げて、株式会社が指定管理者となることを問題視しておられるような御発言がありましたが、その分野に株式会社が少ないのは、指定管理者制度へ移行する前からその施設を管理していた財団法人などが、公募によることなく引き続き指定管理者となっているケースがあること、つまり競争原理が十分に働いていないことも影響があるものと推測されます。
指定管理者制度は、民間の活力を活用し、市民サービスの向上と経費の節減等を図ることを目的としたものです。この趣旨を踏まえ、最善の事業者を選ぶために、競争環境を確保し、公平で公正な選考を行っている地方公共団体においては、株式会社が指定管理者となることについて何ら問題はないものと考えます。また、指定管理者制度の指定の手続に関するガイドラインの改善を求める御発言についても、それがどの部分を指しているのか具体的には言及されておりませんでしたが、議員御案内の調査結果に基づく、雇用・労働条件への配慮規定に関する部分及び総務省通知に基づく協定等へ盛り込むべき事項に関する部分につきましては、本市においては既に募集要項または基本協定に盛り込まれており、再考するものではなく実現されていることを申し上げさせていただきます。
井上 澄和 市長
ただいま吉居議員の御質問の最後に出前トークの話がございました。今年は残念ながら、こういう状況で開催できないのは非常に残念なんですけれども、ぜひ終息の兆しが見えてきましたら、また活動を続けさせていただきたいというふうに思っております。そこで、今最後におっしゃいました、出前トークではなかなか伝えることができない立場の方々がおられるということで、その中で障がい者の場合は、障がい者トークもやっております。そういったことはできるだけ配慮しておりますので、もし吉居議員のほうから「こういうことをやったらどうか」という御提言があれば、まあ、今日この場ではもう御発言はできないかと思いますけれども、ぜひ拝聴させていただきたいというふうに思っております。ただ、やっぱり特定に限定されたようなこと、そういったことになりますと、なかなか私どもも答えづらいところもございますのでですね、やはり広く、やはり子どもなら子ども全般とか、障がい者全般とか、いろんな立場の方々のお話は聞かせていただきたいというふうに思っています。そのことについては、ぜひ積極的に私どもも対応して、市民の皆様方の声を拝聴させていただきたいというふうに思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
吉居 恭子
次に、コロナ禍で児童生徒に寄り添う学校運営について再質問を行います。これまで経験したことのない緊急事態宣言下での教育活動という大変な中で、児童・生徒一人一人の生活の様子に思いを巡らせ、心を砕かれた担任教師をはじめ、教職員の皆様に厚くお礼を申し上げます。
さて、様々な家庭環境の中で日々を過ごす児童・生徒でありますが、回答にあったオンラインによる朝の会は、小中学生全体でどれくらいの割合で参加できているのでしょうか。家庭にネット環境がなく、参加できにくい児童・生徒についての対応に工夫がありましたら教えてください。また、中学校においてのオンラインや授業動画の配信による学習支援ですが、予測もしていなかったこの緊急時に、それぞれの学校で急遽対応されたとも聞きます。心強く思ったところです。私は正直、オンライン授業などというものを小中学校で行う必要性をさほど感じてはおらず、対面授業が小中学校教育の標準だと考えていました。対面授業や児童・生徒のグループ学習などができないことがあるとは想像もしていなかったのです。生徒やクラスメイトたちと教室というコミュニティで学び合うことは大きな意味があり、大事なことですが、それができないとき、たとえ小さな画面越しの対話だとしても、その効果は大きなものだと思いました。オンライン学習が今の時代の教育活動において当たり前のツールなのだということを、今さらながら感じた次第です。臨時休業明けと夏休み明けの児童・生徒の様子についてですが、今回の休みは、これまでの自由な休みと違い、自粛が強要される休みであり、児童・生徒にとっては本当につらい日々だったと思います。まだ心の傷が癒えていない子どもたちも多いでしょう。担任の先生やカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの方など、多忙な中で一人一人話を聞いてくださっているということで、本当にありがたく思います。
次に、不登校児童・生徒についてです。学校に行けない、または行っていない理由は様々あるとのことですが、新型コロナウイルス感染症に関連するものは、この感染症の終息などによってある程度改善されるものと思います。しかし、それ以前からのもの、また、今回の感染症対策による学校休校や自粛生活に端を発して行きにくくなった児童・生徒など、そうした子どもたちの学習の機会、成長の機会を保障することは、国や自治体の責任です。不登校状態にある児童・生徒に対して、学習の機会と、担任の先生や学校とのつながりを持てるような取組を、今回の臨時休業での経験を基に、これまでの支援に加え、新たに構築できるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
次に、児童・生徒の身体・運動能力低下の対応についてですが、ある報道では、学校の臨時休校や自粛生活で子どもの身体能力が低下し、転びやすい、骨折しやすいなどの問題が出ているというのです。確かに健康な人であっても、数日でも入院したら普通には歩けなくなります。まして子どもの場合は、動くのが仕事です。ちょこまか動いているのが本来の姿ですので、運動制限されるというのは本当に困ったことで、それに代わる対策が必要なことは明らかです。
体育の授業で遊びを工夫したりされているようですが、これから涼しくなると運動の機会も増えてくるでしょうから、これまで身についていた体力や身体能力を無理なく続けられるような工夫、家庭でもできる運動の紹介などをお願いしたいと思います。
体育館のエアコンについてですが、年々、夏の気温の上昇は厳しさを増し、全国では学校でも熱中症が多発しています。さらに昨今は、避難場所としての重要な役割も与えられています。本市は幸いにも大規模な災害に見舞われた経験がない自治体のようですが、このたびの台風10号では、各地区公民館やスポーツセンターなどへ、これまでにない多くの避難者がありました。「台風9号のときは怖くて眠れなかった。今度は公民館に避難したので安心して眠れてよかった」と話された高齢者の世帯の女性がおられました。学校の体育館がより大きな災害があった場合の避難場所となるのは明らかですので、そのときに十分機能が果たせるためにも、準備をしておいていただけたらと思います。国・県の補助金などを活用しながら整備していただくよう、これは市長さんによろしくお願いします。
以上、再質問といたします。市長さんのお答えは結構です。
神田 芳樹 教育部長
吉居議員の再質問でございます。
まず、オンラインによる朝の会への参加状況及び、ネット環境がなく参加できない児童・生徒への対応の工夫についてのお尋ねにお答えいたします。国から緊急事態宣言が発令され、臨時休校がさらに長期化することとなり、多くの学校がオンラインによる朝の会議や学習支援、また授業動画の配信などに試行錯誤しながら取り組みました。この朝の会などへの児童・生徒の参加状況につきましては、取組の当初は、家庭にICT環境がなく参加できない児童・生徒がいました。これらの参加ができなかった児童・生徒には、教員がオンライン学習支援等を録画したDVDを届けるなどの代替策が講じられています。その後、8月上旬にはタブレット端末1,300台導入と、通信契約を付したモバイルルーター108台の配置が完了しました。このことでICT環境のない家庭への貸出し体制が整い、全ての児童・生徒が参加可能な環境となっています。中学校における夏季休業中のオンライン学習支援に際しては、これらの機器の貸出しを行っております。
次に、不登校状態にある児童・生徒に対し、今回の臨時休業中の経験を基に、学習の機会と、担任や学校とのつながりを持てるような取組を新たに構築できるのではないかとのお尋ねにお答えいたします。新型コロナウイルスへの感染を心配し、登校を控える事例が数例ありますが、ある小学校ではその児童に対して放課後等にオンラインによる学習支援を試行いたしました。このように、さきに述べました休業期間中のオンライン学習支援などで蓄積したノウハウを生かしたこの取組が順次拡大し、つながりを持てる取組が新たに構築されていくものと考えております。
吉居 恭子
再々質問を行います。
学校再開後も第2波と呼ばれる感染拡大があり、様々なウイルスに関する基礎研究や臨床研究により分かったことも多々ありますが、いまだ有効で安全な治療薬やワクチンが確立されないまま現在に至っています。これから冬の季節を迎えての感染の広がりや、インフルエンザとの併発など、全く予測できない状況で、少なくともしばらくは、ともすればこの先ずっと、この感染症が広がる前の生活には戻れないのかもしれません。こうした中で、ある程度の期間を見据えての学校運営についてお尋ねします。まず授業について、正規授業、特別授業、公開授業など。
次に、入学式、卒業式、遠足、体育会など校内行事。次に、体育の授業、部活動、児童・生徒の体力維持と向上、メンタルケアなどについて。次に、様々な理由で登校できない児童・生徒に対する学習支援、これは先ほどお聞きしましたのですけども、ちょっとすみません。
次に、先生の働き方改革についてお尋ねします。教育が一変してしまった今、これまで積み上げてこられた教育実践を変化せざるを得ない状況がある中で、担任教師をはじめ教職員の担う仕事は複雑化し、御苦労は大変なものと察します。イギリスでは、補助教員による授業の準備、配慮が必要な児童・生徒の対応、ICT機器の準備、児童・生徒の安全管理、保護者対応支援員、家庭・学校連絡員、理科技術者などの協力を得ているそうです。本市においても教員の働き方改革として、部活動指導員や担任サポート、スクールソーシャルワーカーの任用など行ってこられましたが、オンライン学習など必須な状況となった今、教職員の業務の多忙化をこれ以上進ませないために、何かお考えがあれば教えてください。最後に、教育長にお尋ねします。小人数学級についてです。新型コロナ感染防止対策上の3密回避をと言いながら、公立小中学校の普通教室の平均面積は64平方メートルであり、現在の40人学級では、感染症防止のため児童・生徒間の十分な距離を確保することが困難であることから、その対応が学校現場において大きな課題となっています。少人数学級の効果については、これまで学力向上、授業につまずく児童・生徒の減少、発展的な学習に取り組める児童・生徒の増加、不登校やいじめなどの減少、児童・生徒の基本的な生活習慣の定着など、様々な効果があることが語られてきました。そこには、少人数学級にするとクラスに落ち着きが現れ、教師も生徒も学習に集中しやすくなるという環境改善の効果が大きかったという教師側の報告もあります。全国知事会、市長会、全国町村会の地方3団体は、7月3日、萩生田文科相に「コロナ禍にあって少人数学級の実現を求める緊急提言」を手渡しており、未来の社会を担う役割と無限に成長する可能性を持ちながら、声を上げることができない子どもたちへ、国における政治的な配慮がより求められているところです。もちろん春日市長さんも、全国市長会の一員として要望を出されたところでありますが、本市教育委員会においては、少人数学級に対してどのような考えを持ち、どのような対応をしていきたいとお考えなのかお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。
神田 芳樹 教育部長
吉居議員の再質問でございます。
まず、ある程度の期間を見据えての学校運営についてのお尋ねにお答えいたします。
授業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、長期にわたる臨時休業からの学校再開後、夏季休業期間の短縮や、1こまの授業時間数の5分短縮による7時間授業の実施などの工夫により、必要な時数は確保できる見込みとなっています。しかし今後、児童・生徒や学校関係者の感染によって臨時休業を行い、それが長期に及ぶ場合が考えられます。この場合は、国が示している新型コロナウイルス感染症対策と学びの保障を両立していく上での基本的な考え方と取組の方向性を参考としながら、柔軟に対応してまいります。
入学式、卒業式、遠足、運動会、修学旅行などの行事については、児童・生徒の発達過程上、欠かせない重要なものであります。それぞれの行事の趣旨とそのときの感染症の状況などを踏まえ、時間の短縮や内容の簡素化など工夫をしながら、でき得る限り実施をしたいと考えております。体育の授業や部活動、児童・生徒の体力維持と向上につきましては、先ほど教育長が答弁しましたように、児童・生徒の状況と段階を踏まえた対応をしてまいります。
メンタルケアにつきましては、引き続き児童・生徒の健康観察等を注意深く行うとともに、担任や養護教諭による個別相談できめ細やかな対応をしてまいります。様々な理由で登校できない児童・生徒に対しては、先ほど教育長が答弁しましたプリントの配付やICTを活用した学習支援など、臨時休業中や夏季休業中に各学校が蓄積してきたノウハウを生かし、全校で取り組めるよう支援してまいります。また、引き続き担任からの定期的な連絡に加え、教育相談員や不登校専任教員が、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等と連携した取組など、きめ細やかな対応を行ってまいります。
いずれにいたしましても、新型コロナウイルス感染症の今後の見通しは予断を許さないため、現行の取組を継続しながら、引き続き感染状況に応じた対応を行ってまいります。
次に、教員の働き方改革として、業務の多忙化をこれ以上進ませないために、何か考えがあるかとのお尋ねにお答えいたします。本市においては、平成19年度から、子どもとの触れ合い時間確保、指導準備・事務時間確保及び学校を離れる時間削減の3項目を達成目標として、ゆとりある学校環境づくりの総合的取組を市内全小中学校に広げていきました。これらの本市独自の先駆的取組が、今日の働き方改革につながっています。その後、平成30年3月に、福岡県教育委員会において教職員の働き方改革取組指針が策定され、平成31年3月には、働き方改革の取組の進め方を具体的に示した「公立学校における教職員の働き方改革推進ハンドブック」が作成されました。市教育委員会では県が策定した指針を踏まえ、ハンドブックに示された具体的取組を、校長会を通じて順次取り入れているところでございます。また、平成31年3月には、春日市立小中学校働き方改革推進研究会を立ち上げ、学校現場の実態に寄り添った働き方改革の研究を進めております。今後とも教職員の働き方改革を推進してまいります。
扇 弘行 教育長
少人数学級について、どのような考えを持ち、どのような対応をしていきたいと考えているのかとのお尋ねにお答えします。
議員御指摘のように、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として、いわゆる3密の回避は、あらゆる場面において国内中で実践されています。そのような中にあって、児童・生徒にとっての学びの場であり生活の場である学校、とりわけ現行の普通教室において、児童・生徒の身体的な距離を保つことは、極めて大変難しい実態があると考えています。しかし今後、教室の改修等が国の大幅な補助に基づいて行われることは、全国の小中学校の校舎改築・増築等の状況を考えますと、全く見込みが立ちませんので、現行の40人学級編制の下でしっかりとした感染症予防対策を講じていかなければならないと考えています。したがいまして、本市におきましては、文部科学省が示しております「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~学校の新しい生活様式~」に基づいて、各学校において、給食時間中の対応、授業中を問わない換気の励行、マスクの着用、教室内外の消毒等に鋭意努めるよう指導しているところです。次に、少人数学級の効果については、学力向上はもとより、学習につまずく児童・生徒の把握と指導が的確にできるとともに、児童・生徒の人間関係づくりにきめ細やかに対応できるため、不登校やいじめ等の減少にも大いに期待できるものと考えています。
本市においては、市独自の施策であります小学6年生における30人以下学級編制に伴う教員の配置を行っており、国の制度は、小学校1年生、また、福岡県の制度で小学2年生が35人以下学級編制となっていることと併せて、春日市では3学年で少人数学級編制となっています。今後、この少人数学級編制を拡大することは、学級編制や教職員の定数を定めた義務標準法である、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、この改正がなされなければ大変難しい問題であります。なお、これまでも福岡県市町村教育委員会連絡協議会では、福岡県教育委員会に対しまして、義務標準法の改正による小学校全学年35人学級、この早期実現をはじめとした教職員定数の改善と、学級編制基準の緩和、これを国に働きかけるよう、また、県においても独自にその推進に努めるよう強く求めているところであり、今後とも引き続き強く要望してまいりたい、そのように考えております。